恋曜日25時のkissカクテル〜短編集〜

vol.１　ネクタイ好きな男の話　SJ ページ3

ソクジンside





俺はごくごく普通のサラリーマン




無趣味な俺が唯一好きな物
それは、ネクタイ




今では10本以上のネクタイが
クローゼットに整頓されてぶら下がっている

特に気に入っているのは5本のネクタイだ







だけど、俺はネクタイを止めるための
タイピンを一つも持っていない

ネクタイに傷をつけたり
穴を開けたりするのが嫌だからだ



タイピンを使おうとすると
大事なネクタイから悲鳴が聞こえてくる



…なんてね笑






TH「今日めっちゃ風強いからやばいなぁ〜」

SJ「ぶふっ…」


TH「あはっ！先輩ウケる笑

　ネクタイにビンタされてる笑」


SJ「うるさいなぁ…」






今、俺のネクタイは
自由なままだ







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俺は、車を掃除していた
今週末に彼女をドライブデートへ誘ったからだ




建物や人が多い街から二人で抜け出して
遠くの海辺のレストランまで連れて行ってあげようって




何て言うのは口実で

長時間他人の目や耳を気にすることなく
二人だけでいたかったから
俺は彼女を車に乗せて連れていく



彼女もドライブは好きだって言ってくれてるし…







SJ「…お？」







車の足元に何か転がっている

金と真珠の…






SJ「イヤリング、か…」






彼女のイヤリングだった



親指の爪よりも大きい
正方形の真ん中に真珠がちょんっ、とついてるイヤリング




俺の彼女は、少し大きめのイヤリングが好きで
いつも会うたびに違う物をしていた







そして
週末の午後3時

待ち合わせの駅に行くと
彼女はおしゃれをして待っていてくれた






SJ「遅くなってごめん」


マリア「大丈夫。まだ外は明るいから

　迎えに来てくれてありがとう」






そう言ってニッコリする彼女のほっぺが可愛くて
思わずキスをしたくなるけど、まだ、駅前

早く車を出して二人だけの空間に行きたい
なんて思うけど、もう少し我慢だ





街中の大通りを進んで
目指すは海辺のレストランに向かう高速道路


ではなく
山道を使っての下道だ




高速道路を使えば早くて楽だけど
下道を使っていく方が好きだ


通り過ぎていくお店や街並みを見て
『あのお店気になる』『景色が綺麗だね』なんて会話するのが
俺は好きだ



そして、彼女は俺に気を遣って
ドライブデートの時には絶対に言う言葉がある






マリア「運転疲れてない？ありがとう」







気を遣わせてるのか、こっちが心配だ



でも、俺の顔色を窺って
心配そうに見て来る彼女が可愛い






SJ「大丈夫、幸せさ」






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