【文スト】龍の少女は探偵社に拾われる

番外編:メリークリスマス ページ27

『んー、疲れたー！』

ふと窓の外を見ると、雪がチラついていた
今晩は冷えそうだ

「A、終わったかい？」
『あ、与謝野さんも終わりました？』
「なら丁度いい。ちょっと買い物に付き合ってくれないかい？」


誘われて来たのは赤レンガ倉庫
外套とマフラー手袋と完全防備で来たがやっぱり冬の海風はつめたい

『でも何で急に此処来たんですか？』
「あんたもしかして今日が何の日か分かっていないのかい？」
『？？？』

今日って何か記念日だっけ

……嗚呼、クリスマスイブか

通りで街が賑やかな訳だ


「Aが来てから初めてだからねぇ
何か買ってやろうかと思っていたんだか」
『え？いやそんな、気にしないでください。私が何か買いたいくらいなのに』

あたしのことはまるで聞こえないかのように先に進んでいく

その後2時間位お店を渡り歩いたあと、荷物を取りに社へ戻ってきた

「A、あんたがドア開けな」

いやそこにいるんだから与謝野さんが開ければいいのでは

その言葉を飲み込んでノブに手を掛ける


｢｢｢メリークリスマス！！！！！｣｣｣


『へ？』


「いや、今日はAちゃんが入社して初めてのクリスマスだから」

「みんなで招宴でもしようかって話になったんだよ」


いつの間に用意された会議用の長机にテーブルクロスがかけられ色々な食べものが並んでいる
鶏肉にスイーツにジュース


「まず、Aちゃんに贈答品を渡しませんか？」
「いいね！賢治くん！」

何が何だか分からないうちにあたしの両手には紙袋やら箱やらが積み重なっていく

その中には、先刻与謝野さんが買っていた物もあった

『もしかして、このためにあたしを外へ……？』

頭に誰かの手が置かれる

「やるからには徹底的にやりたいものね」

『太宰さん』


「じゃあ、乾杯しようか！」


先刻撫でられた所はまだ熱をもっている
撫でられて嬉しかったのか
サプライズが嬉しかったのか
分からないけど




「改めて」


『｢｢メリークリスマス！！！！！｣｣』



こんなに幸せな日はあとにも先にもないだろう




____＿＿＿＿
どうもユッカです

メリークリスマス！イブ！

順位更新されてましたね

キット目がおかしいのね

そんな、30番台まで着くなんてね

作者ランキングもついててびっくりしました

ありがとうございます

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