【文スト】龍の少女は探偵社に拾われる

20. ページ21

「ははは、其れは脅されましたねェ」
「笑い事じゃないですよう」

　現在5人で街を歩いています
　敦君の愚痴、谷崎兄妹の…ね。

『谷崎さんも能力者なのでしょう？どんなの何ですか」
「ボクのは戦闘向きじゃあないから期待しないでほしいなあ」

　そしてナオミちゃんの愛の囁き
　敦君が照れちゃってるよ。あたしも照れちゃってるよ。

「着きました」

　樋口さんの指が指す先は暗い小路。気味悪ッ

「おかしい」
『何がおかしいんですか？』

　まあ、確かにそういう類が出そうだけど…

「樋口さん、無法者は臆病な連中で、大抵逃げ道を用意しておくものです。でもここはホラ」

　此処は袋小路。つまり、

『捕り方が向こうから来たら逃げられない』



「その通りです」

　真逆、この人

「失礼とは存じますが、嵌めさせて頂きました。私の目的は、貴方がたです」

　彼女の電話の相手は――

「芥川先輩？予定通り捕らえました。これより処分します」

「芥川、だッて？」

「我が主の為、此処で死んで頂きます」

『ポートマフィア…‼』

ドガがガガガガッ！！


『危ない！』

　異能で防ごうとしたけど、遅かった

「兄様…大丈、夫？」
「ナオ、ミ…？」

『ナオミちゃん‼』

　綺麗な黒髪が宙を舞う。谷崎さんはパニックになる

『敦君、止血帯有る？！』
「え、し、止血帯？？」

　否、この場合は洗ったほうがいいか、でも止血が先だよな
　医者である与謝野さんは社に帰らないと居ない
　如何すればいい。あ、そうだ――！

ジャキ

「貴方が戦闘要員でないことは調査済みです。健気な妹君の後を追っていただきましょうか」

　今度は谷崎さんが



「あ？」

　一瞬、ぞっとした。凄い殺気が漂っている

「チンピラ如きが―――ナオミを傷つけたね？」


――『細雪』――


「Aちゃん、敦君。奥に避難するンだ。此奴はボクが――殺す」

　ひっそりとした路地裏に、季節外れの雪が降る

21.→←19.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す