【FAIRY TAIL】狂おしいほどに

敵と仲間 ページ31

『続いて予選通過第三位！

おおーっとこれは意外！

初出場のギルドが三位に入ってきた！

真夜中幽撃隊、大鴉の尻尾だーーー！』

会場の空気が変わる。

「闇ギルドじゃ。

こんなのが！大魔闘演武に参加して良いのかっ！！」

予選突破第三位で入ってきた大鴉の尻尾に

マスターが今にも殴りかかろという勢いで応援席から叫ぶ。

「妖精の尻尾、小娘は挨拶代わりだ。」

大鴉の尻尾の面々は私たちの前まで来ると甲冑に身を包んだ男がそう言った。

ウェンディの事だろう。

「おまえらがウェンディを…許さねぇぞ！！」

一触即発のムードが漂う。

「ふん。祭りを楽しもう」

男が挑発するようにこちらに向けて言った。

『さあ！予選突破チームも残すところあと二つ！』

その声に気を取り直し入場口へと目を向ける。

『予選ニ位通過！おおーっと、これは意外！

落ちた羽の羽ばたく鍵となるのか！？

まさかのまさかの！

妖精の尻尾Bチームだーーー！』

入場して来たのはなんと

「ミラ！？」

「ガシル！？」

「ジュビア！？」

「ラクサスとか反則でしょ！？」

「つーかつーかつーか！

なんでミストガンがいるんだよ！？」

「まさかおまえ、ジェラール？」

しーっと口許で人差し指を立てるジェラール。

そう、彼ら5人だった。

驚きを隠せない観客たち、そして出場者。

もちろん例外なく私たちも。

どうやらルール改正により1ギルドから、

1チームないし、2チーム出場できるようになったらしい。

(なるほど、それで参加チームが異常に多かったのか)

「さあ、いよいよ予選突破チームも残すとろあと1つ！

そう、みなさんも既にご存知！

最強！天下無敵！これぞ絶対王者！

剣咬の虎だーーー！』

一際観戦が大きくなり、スティング達が姿を現した。

「楽しもうぜ、ナツさん」

そうナツを挑発する。

その後にチラリと私を見る。

しかし、気まずさから私はすぐに目を逸らす。

(昨日スティングが奪いに行くとか可愛いとか変なこと言うからだ。

め、目が見れない)

強引なところも感情がすぐに表に出るところも全然変わっていなかった。

けど、だけど、あんな風に触れられたことも、

あんな表情を向けられたのも初めてで、意識してしまう。

(でも、スティングは私たちのギルドをクズだと言った。

それは許せないこと。

今は優勝する事だけ考えればいいの)

そう、心の中で呟くもなんだか落ち着かない気持ちが残るだけだった。

絶対王者→←決意

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