【FAIRY TAIL】狂おしいほどに

天手力男神(アメノタヂカラオ) ページ28

黄昏の鬼たちを呆気なく倒すと突然地面が、

いや、迷宮自体が回転しだす。

「z軸回転だ！」

「みんな！側面に移動するんだ！」

「もう落ちてるんですけど〜〜！」

「ハッピーが居れば〜！」

情けなく叫ぶルーシィとナツ。

(このままじゃ場外で失格になっちゃう…！)

(A、私を抜きなさい)

(そうか！わかった！)

天羽々斬の声に閃き、刀を引き抜く。

「天手力男神(アメノタヂカラオ)！」

流れ落ちていく中近くの階段へと刀を突き立てる。

【よーお、A〜久しぶりじゃねぇかあ】

突き立てた刀になんとかぶら下がるような形で

天手力男神を呼ぶと、如何にも剛腕そうな腕と

強靭な足腰を持った男が姿を現わす。

「う、うん、久しぶり！

挨拶は後でいいから、ルーシィとナツを助けて！」

【お？こりゃいけねぇ、ちょっと待ってな】

そう言って素早く飛び立ち、2人をキャッチする。

そして側面の床へと下ろし、すぐに私のところへ戻ってきて軽々引き上げてくれる。

「ありがとう天手力男神」

【いーってことよ。それよりおまえ、身体は大事ないのか？】

「うん、大丈夫だよ、ありがとう。

心配かけてごめんね。

これからまた力を貸してくれる？」

【ああ、もちろんだ。いつでも力になる】

そう言って彼は優しく微笑むと消えていった。

(前よりだいぶ調子いいんじゃねぇか？)

菊一文字の問いに頷く。

(うん、なんか力が湧いてくるっていうか、

早くみんなを呼び出したくてうずうずしてる。

みんなの声が聴こえてくるの)

(そうね、私にも聴こえるわ。

Aに早く会いたいと、そう言う神々の声が。

A、あなたは愛されているわね)

数多の神々を捕まえて罰当たりもいいところかもしれないが、

私にとって彼らは共に生きていく仲間だ。

彼らを呼び出すということはほぼほぼ戦闘になるということだが、

早くみんなの顔を見たいと、心が高鳴る。

「ありがとー！A〜！」

「無事かー！？おまえらー！」

漸く回転も止まりグレイとルーシィの声が響く。

____パサ

足元を見ると冊子のようなものが落ちてくる。

「なにこれ、ひょっとして地図？」

「ラッキーじゃねぇか！

これとうちらのメモを合わせればより精度の高い地図になる！」

「なるほど、この予選の大体の趣向がわかってきたぞ」

そう言ったエルザを始め、他の面々の目も妖しく光り出す。

「みんな、目が怖いよぉ〜」

ルーシィのそんな声が響いたが、無視して片っ端から奪いにかかった。

予選通過→←空中迷宮

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す