出会い(後編) ページ21
「...っく」
口の中に鉄の味が広がる。
気が付いたら薄暗い倉庫に居た。
一直線に家へと向かったが途中
黒い着物のような物を纏った男たち数人に囲まれた。
必死に抵抗したが、最終的に意識を失ってしまったようだ。
あの、明らかに好意的ではない視線を思い出し、背筋が凍る。
するとゴゴッと重たい扉が開く音がした。
入り口の方を見ると、先程の男たちが立っていた。
「おー、まだこのガキ生きてたのか」
そう言って近づいてきた男に再度脇腹を蹴り上げられる。
「ぐ、、、ごほっ」
「おーいおい、人質なんだから、殺すんじゃねぇぞ？」
「もーよくね？どうせこの街にもあの女は居ねぇよ。
ってことでこのガキ殺っちまおうぜ？」
そう言って男はだらしなく涎を垂らす。
(やべぇ、こいつ目ぇいっちまってる。)
オレは逃げる力ももう残っておらずここで死ぬことを覚悟した。
男が再び拳を振り上げたその時
___ドゴォォォオオオン
重たい扉がこちら目掛けて飛んできた。
それに巻き込まれ男たち数人が吹き飛ぶ。
オレはスレスレのところでなんとか交わし、入り口を見る。
と、そこにはレクター、ローグ、フロッシュ、それから、、、Aがいた。
「はっ、やっと現れたな。
今までどーこに隠れてたんでちゅかー？？」
残った男たちがAを挑発する。
「おまえら、タダで帰れると思うなよ」
そう言ったAの手はカタカタと震え、腰に差す刀の柄を握っていた。
「はー？なーに震えちゃってんの？？
こわいのー？
天才剣士、鬼の子。その名が泣くぜ？
んま、その呪われた血も俺たちが今日で終わらせてやるから感謝しな！」
ギャハハハと、笑い声がこだまする。
「おまえらは、やっぱりあの時の.....！」
「そうさ、まあ今さら気づいてももう遅いけどな！」
Aとあの男たちが何の話しているかはわからなかった。
しかし、きっとこいつらがAの笑顔を曇らせる原因なんだと朦朧とする意識の中ではっきりと思った。
「くっ.....！菊一文字！！」
そう叫んで直ぐさまぐっ、と唇を噛み、腰に差す一本の刀を抜いた。
そして次の瞬間、そこにいたのはもう別人で、
いつものあの優しい瞳のAはいなかった。
その大きな黒い瞳からはなんの感情も読み取れなかった。
「スティング！！」
ローグとレクター、フロッシュが駆け寄ってきたが、オレの意識はそこで再度途切れた。
それから目を覚ましたのは数日後だった。
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秘穏(プロフ) - とても面白いです！スティングの心情がなんか可愛らしくて、ついつい見守っている気分になります笑 あと隠密の回ですが、ラミアスケールだけ片仮名でしたが、漢字だと、「蛇姫の鱗」と書きます。 (2019年9月23日 11時) (
レス) id: 3c447ef1a9 (このIDを非表示/違反報告)
Da.Li(プロフ) - 大好きです。また更新してほしいです…気長に待ってます！ (2018年12月20日 19時) (レス) id: 9339fc5d80 (このIDを非表示/違反報告)
ZIN - 更新されてる!!楽しみに待ってます!! (2018年6月3日 21時) (レス) id: af655f0d36 (このIDを非表示/違反報告)
Pinky* - すっごいおもしろいです！！これからも頑張って下さい(*^O^*) (2018年1月15日 17時) (レス) id: e284ecfae9 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - あんずさん» わあああ(T_T)最近更新が滞っていたのですがそんなコメントいただけてとても嬉しいです（；＿；）プライベートが落ち着いたらまた更新しますのでもう少しお待ちください(T_T) (2015年12月31日 19時) (レス) id: 6c22e6ae36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーちゃん | 作成日時：2015年8月28日 8時
