俺の隣のすとーかーちゃん番外編 (ページ27)

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翔ちゃんは俺を見て、頬を触った。

「寒い？雅紀」

「え？」

「赤くなってる」

それは翔ちゃんに言われた事で、赤くなってるだけなんだけど。

「ちょっとだけ」

そんな時。

「ねぇ、今、翔ちゃんと雅紀って言った？」

「言った。まさか、本物？」

女の子の声が、聞こえた。
俺たちの、こと？
え？まさか俺たち、あの司会者の人と、間違えられてる？

「雅紀」

「翔ちゃん」

お互いに顔を見合わせる。
この人込みじゃ逃げられない。
いや、人違いだし、逃げなくてもいいのか。
でも、その声で俺たちを中心に、皆のヒソヒソが伝染しだして。
ヒソヒソがザワザワになるまで時間がかからなかった。
でも、最初に本物？って言った女の子が。

「こんな人がいっぱいの所にいる訳ないよね。それに本物より不細工だし」

「そうだよね。よく見たら違うわ」

その言葉で、一気に周りの人たちの緊張が解けた。
そして、何事もなかったように歩き出す。

「・・・何か、複雑だな」

「そうだね・・・」

俺たちは歩き出した。

「でも、よかったね。あれで本物、って言われたら、走って逃げる事も出来ないし」

「確かに。結果、よかったんだよ。な？」

後で、笑い話になるよ、って笑い合った。
それから俺たちは、神社に行って。

「今年も翔ちゃんと、一緒にいられますように」

ってお願いしたんだ。
翔ちゃんも、俺と同じお願い事だと、いいな。