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そっと笑いかける。
乱暴になってしまわないように優しく髪を撫でるように拭きながら、じんわりとタオル越しに櫻井さんの温もりを感じる。
「………ふふ」
「え、なんですか」
しばらく大人しく拭かれながら私を見つめていた櫻井さんがふいに小さく笑いだした。
私にはなぜ笑われるのかがわからない。
「何か変なこと言いました…？」
「いいえ、言ってません。ただ……弱った男にはよく聞く言葉でした」
「！」
ふっと柔らかく櫻井さんの唇が笑みを浮かべた。
うつむきがちだった顔を上げてぬれた髪を掻き上げる。
そう言えば櫻井さんの顔が少し高い場所にある。
私が拭きやすいようにしゃがんでくれていたみたいだ。
どっちにしても私は背伸びをしていたから気づかなかった。
「ありがとうございます、雛田さん」
櫻井さんは私の手からタオルを取り上げた。
「櫻井さん…」
「お風呂入ってきます。洗ってありますか？」
そう聞く櫻井さんはもういつもの櫻井さんで、私もついいつもの調子で頷く。
「はい。すぐに沸かしますね……って、あ、ごめんなさい、まだ浴室乾燥機使ってるんでした」
「雨降ったから？」
「そうです。すぐに洗ってきますね」
櫻井さんが本当に風邪をひいたら大変だ。
私は大慌てて浴室から洗濯物を引っ張り出す。
「それ、こっち置いときますよ」
「すみません櫻井さん」
「いいえ。予定外の時間に帰ってきたのは俺ですし」
櫻井さんは私から洗濯物を受け取るとどさりとソファに投げてしまった。
洗濯物はあとで畳むことにして今はまず湯船を洗う。
蓋をして、給湯器のスイッチを押した。
「ごめんなさい、今沸かし始めました」
「全然大丈夫ですから。……ぬれた服だけ脱ごうかな」
ソファに座ることも出来ずリビングで立ちっぱなしだった櫻井さんはそう言って苦笑い。
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iCHiKA(プロフ) - shiさん» この度もありがとうございます！二人の距離もやっと変わり始める…といったところですので、お楽しみいただけたら嬉しいです。 (2021年2月28日 22時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - こんばんは！！翔さん何かありましたね( .. )この後の主人公と翔さんの行方楽しみにしています！！ (2021年2月26日 22時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - shiさん» コメントありがとうございます！驚いてもらえたなら嬉しいです。雨にぬれたSさん想像しながらぜひ続き読んでくださいませ。楽しんでもらえたら光栄です。 (2021年2月24日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
shi(プロフ) - おはようございます！！まさかの帰ってきたにドキドキです！！次回も楽しみにしています(^^) (2021年2月23日 8時) (レス) id: 4f699932a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年1月24日 14時
