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私の反応をみて、にんまりと笑う。その顔には恐怖を覚えた。里見君と真壁君が準備室に来たのは2日目の朝。頭を怪我したのはその後で、それを理由にすることも出来なければ、何も誤魔化す方法は無かった。

「俺が実際に見たのはアンタが先生と同じ準備室でソファーで寝転がり眠ってた事だけだけど、それは何とでも言える」

『嘘で誤魔化す訳だ』

「そうだよ。嘘でも何でもアンタがあそこに居たのは事実だ。1日目の夜、アンタが教室に戻ってこなかったのは皆知ってる」

自分でも驚くぐらい強気で返しているけど、内心焦りまくりだ。まずいぞ。このままだと先生を巻き込む。先生に迷惑を掛けることだけは避けたい。

「アンタが皆に話そうものなら、逆に俺はこれを皆に言いふらしてやる」

『そんな物は嘘だ。』

「もしその場で俺の言葉は偽りだと分かっても、一緒にいた事実と、昨日の事が有れば皆、俺の思惑通りにアンタを更に遠巻きにするだろうな」

昨日……?昨日は特に問題は無かったはずだ。準備室で夜を過ごした事も、私が怪我をした事で先生が寝床を貸してくれたと説明すればいい。何があったんだ。

『昨日?』

「そっか、アンタ気失ってたんだっけ?」

『多分ね』

「じゃぁ、あのことを知らないわけだ」

あのこと、とは何だ

「倒れたアンタに先生が薬を口移しで飲ませたんだよ」

『は?!』

「おぉ、やっと動揺した」

初めての私のあからさまな動揺に笑い出す彼。ちょっと待て、私からのキス以外に先生からしてくれた時があったと言うのか。勿論私は結構危ない状況で先生は慌ててとった行動なんだろうけど、私からしたられっきとしたファーストキスだ。
なんと、私の知らないところでそれが行なわれていたなんて

「まぁ、そんな事が有ったなら皆アンタと先生との関係を疑い出す。そうすれば先生はここでの授業をしにくくなるかもな」

笑いながら言う彼は、多分自分の自尊心を守るのに必死になのだろう。私がこの脅しに従うと思って疑わない。もう制圧した気でいる。残念。私はそう簡単な脅しや絶望で折れるほど弱くない。もっとキツイ奈落の底経験してるんだ。耐性なら幾らでも着いている

『好きにしなよ』

「はぁ?」

何も変わらず、いつも通り。その言葉を口にした。もう私を制御したつもりでいた彼は意表をつかれた顔で固まる。黒い笑みは滑稽なとぼけ顔に変わった

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (2022年8月20日 18時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎(プロフ) - 初めまして!柊一颯落ちで物凄く嬉しいです!!更新待っています!これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 21時) (レス) id: bdaf0ebad8 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - しろごめさん» ありがとうございます!柊先生オチです(≧ω≦)bこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2019年3月16日 8時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
しろごめ(プロフ) - コメント失礼します!ぶっきー落ちと聞いて見に来ました!笑更新頑張ってください、応援してます!!(*´∀`*) (2019年3月15日 23時) (レス) id: f6e80c062e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くすさな x他1人 | 作成日時:2019年3月14日 23時

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