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あの時……丁度澪奈のレースだった時、此方に気付いて手を振ってくれた彼女に振り返し、後ろのベンチに居る茅野ちゃんの方を振り返った時だ。沢山の応援に来たうちの学校の生徒の後ろ、ベンチにも座らずただ呆然と突っ立って澪奈を見ていた、彼。
違う部活のはずなのに水泳部のジャージを着ていて、今思えば違和感がある。その時は澪奈の勝利への喜びでそれどころじゃなかったけど、いつもの彼じゃ無かった。
トイレを出て、茅野ちゃんとはそこで別れた。私は美術室に入る。準備室には先生が居るけれど、今はここでいい。
特有の背もたれのない木製椅子に座り、ひんやりとした机に突っ伏した。寝る訳じゃない。ただ考えをまとめたい。目を瞑る。瞬時に余計な音が聞こえなくなった。
あの時、水泳大会会場にいた彼……里見君。サッカー部の彼がなんであの時間にあそこに居たのだろう。サッカー部の練習が無くなったことは充分に考えられる。それで澪奈の試合に来るのも、何らおかしくない。問題はここからなのだ。
彼は席に座らなかった。澪奈を見に来ているのに応援をする訳でもなく、ただじっと見つめていた。そしてさらに引っかかる点、ジャージを着ていたこと。みんなの話だと水泳部のジャージは特注品で簡単に手に入るものじゃない。誰かに借りたとしても、それには必ず理由が必要になる。
そして、彼が立ち去る際、彼のズボンから軍手がはみ出していたのを覚えている。慌てて突っ込んだ様で無造作に指の作りが出ていた。確かあのフェイク動画の撮影者も水泳部ジャージに軍手だった。もしかしてやっぱり里見君が犯人なんじゃ…
そこまで考えた時、扉の音が聞こえる。それは準備室の扉…ではなく美術室の扉の音。入ってきたのは男子生徒。それこそ、今私の頭を支配している里見君だった。
彼は私がここに居るのを見ると、罰が悪そうな顔をした
｢此処にも居んのかよ…1人にしてくれ｣
『先に居たのは私何だけどなぁ』
私とは反対の1番端の席。そこに彼は腰を下ろした。私は勿論出ていかない。張り詰めた空気が美術室を満たす。ここなら誰にも聞かれない、先生以外には。だから私は話を切り出した。もし私の考えが違っても、皆に里見君を犯人扱いさせる様な事にはならないし、反応を見ればヒントにもなりうる。
『里見君ってさ…澪奈がドーピングしたって話題になった大会当日、会場にいたよね？』
｢だから何？｣
反応を示した彼。その態度は挑発的で攻撃的だ。刺激しないようにしないと
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年8月20日 18時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎(プロフ) - 初めまして！柊一颯落ちで物凄く嬉しいです！！更新待っています！これからも頑張ってください！！ (2021年2月26日 21時) (レス) id: bdaf0ebad8 (このIDを非表示/違反報告)
くすさな(プロフ) - しろごめさん» ありがとうございます！柊先生オチです(≧ω≦)bこれからもよろしくお願いします(*^^*) (2019年3月16日 8時) (レス) id: 780399e946 (このIDを非表示/違反報告)
しろごめ(プロフ) - コメント失礼します！ぶっきー落ちと聞いて見に来ました！笑更新頑張ってください、応援してます！！(*´∀｀*) (2019年3月15日 23時) (レス) id: f6e80c062e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くすさな x他1人 | 作成日時：2019年3月14日 23時
