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「...はい、」
「...ありがとうございます、」
人気のない中庭のベンチで自動販売機で買ってきてくれた温かいミルクティーを受け取る。
何も言わないこの空間にあたたかい春の風が通り抜ける。
隣に座った彼。
さっきのことに触れるの？
私は何て言えばいい？
「俺さあ...両親がいないんだよね」
...何の話？
空気が止まった。
てっきりさっきの話をされると思ってた私は、いきなりのその話に思考が停止した。
最初の数分、何の話かわからなかった。
でも、その話の重大さを理解した途端、まるで耳が使い物にならなくなったみたいに、全ての音が消えた。
「え、でも...」
平野先輩には美人なお母様と、会社社長のお父様がいる。
この学校では有名な話だ。
「ああ、あの噂？
それは義理の父親と母親。
本当の父親と母親は...
...俺が小さい頃、俺を捨ててどっか行っちゃった」
彼は遠くを見ていて、今、どんな感情なんだろう。
どうして私にこの話をしてくれたの？
そんな重大な秘密。
どうして、私に＿＿...
私も同じ境遇なのよ、なんて同じ者同士傷を舐めあって生きるの？、
彼はベンチから降りて、私の手を握り、前にひざまずく。
「こんな俺でも受け入れてくれる？
俺、佐々木Aのことが好きです。
付き合ってください＿＿＿」
なんて、なんてこと。
涙が溢れて止まらない。
思わず漏れる息に震える手。
違うわ、
私こそ。
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＿＿ こんな私でも、受け入れてくれる？
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さっち - ドロドロしたのが読みたかったのでほんとこのお話最高です！更新楽しみに待ってます！ (2016年10月17日 23時) (
レス) id: 98800b7e8f (このIDを非表示/違反報告)
侑貴 - 更新楽しみにしてます！ミステリアスな感じに引き込まれていってしまいました！作者さんのこの作品大好きです！お願いします、作品を書いてください！ (2016年10月2日 23時) (レス) id: 09b0973850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きら | 作成日時：2016年9月5日 23時
