031 またいつか。 ページ31
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『From.月永レオ
To.瀬名泉
Title:じゃあな
body:
約束、守れなくてごめん。おれのワガママで“Knights”を作ったくせに、結局俺のワガママで今度はKnightsを壊しちゃったな。
おれは結局“王様”になんてなれなかった。
そんなおれが今のままKnightsに居たって何も出来ない。
だからおれは変わる為に外に出るよ。
もしかしたらセナは俺が居なくなる事に気付いてたかもしれないけれど。
セナもリッツも優しいからおれの居場所を守り続けようとしてくれるのかもしれない。
だけどもうそんな重いもの捨ててもいいぞ。
そんなもの大切にしなくてもいいから
だからいつかまたおれとお前らが会う時があったら
その時は変わらないお前らで居てくれ。
沢山迷惑掛けてごめんな、リッツにも謝っておいてくれ。
Aもきっとセナとリッツが前に進む力になってくれる筈だ。
それと、セナ、お前は器用に生きている様に見せかけて、本当は不器用すぎる。
だから本当に好きな物は好き、大切な物は大切だって言葉にしろよ。
それじゃあ、さよならだ。』
『お掛けになった電話は――…』
聞き慣れたアナウンスを遮る様にブツリと通話終了のボタンをタップする。
れおくんからのメールを受け取ってから幾度と無く電話を掛けたりメールを送ってみたりするけれど、
彼からの応答は一切なかった。
公園のベンチに座り、れおくんの最後のメールをぼんやりと眺める。
自分勝手な王さまは最後まで俺達を振り回して消えていった。
その事実が段々と俺を腹立たせる。
「……くまくんに俺から謝るなんてしてやらないから。
ちゃんと還って来て、それで自分の口で謝りなよねぇ!」
ベンチの背にもたれ掛かりながら小さく悪態をつく。
「それに最後の文は余計だし。
俺の心配よりまずは自分の事を考えなよねぇ。」
それでも俺の口から漏れる声は徐々に覇気がなくなる。
れおくんは俺が思っていたよりずっと俺達を見ていた。
俺の気持ちに、多分俺より早く気付いていた。
……他人の事だけは鋭いよね、れおくんは。
「……こんな時に好きだ、って言っていいのかなぁ」
ぼんやりと、薄暗い空にそう呟いた時、Aが戻って来る姿が視界に映った。
「A、どうだっ――……」
俺の言葉はふと其処で途切れた。
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とまと。(プロフ) - はるなさん» そう言って頂ける方と出会う事が出来、感無量です…!私には勿体無い言葉の数々を有難うございます、最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» そんな嬉しい言葉を掛けて頂いたのは初めてです…!最後まで感動して頂けるように頑張ります。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - この物語、本当に好きです!このお話と出会えて良かった!続き楽しみにしています。頑張ってください!! (2017年5月8日 23時) (レス) id: 651f5172c0 (このIDを非表示/違反報告)
聖泉 - とまと。さん» 感動しました。このお話を読んでいてよかったです(^^) (2017年5月7日 23時) (レス) id: b0c24886c2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» まだまだ完結まで時間の掛かる2人ですがゆっくり温かい目で見てあげてください…!応援有難うございます(*^^*) (2017年4月15日 14時) (レス) id: efe978ed57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えはら | 作成日時:2016年12月7日 19時