024 それは小さく静かなもの。 ページ24
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あの日酷い言葉を言ってしまった事を俺はまだAに謝る事が出来ずにいた。
Aは練習が終わった後、毎日れおくんの家に通っているのだとくまくんから聞いた。
Aと一緒に帰らなくなったのはいつからだっけ。
いつもと変わらない景色なのに、何処か寂しいと感じてしまうのはいつからだっけ。
1人で居ることが寂しくて、隣に温もりを探してしまう様になったのはいつからだっけ。
1人で居る事には慣れていた。
それがずっと当たり前だったし。
寂しくなんてない、悲しくなんてない、
これからもずっとそうだと思っていた。
――なのに。
気が付けば隣に居るのが当たり前で。
いつも俺を見ていてくれて。
崩れそうになったらそっと手を差し伸べてくれた。
俺の中に積み重なったアンタとの時間がどれ位幸せだったかなんてずっと気がついていた筈なのに。
俺は真っ直ぐ家に帰る気になんてなれなくて、
ふらふらとアテもなく薄暗く染まっていく町の中を歩き続けた。
気が付けば見覚えのある公園に足を踏み入れている事に気付いて、
慌ててあたりを見回してみて自分でも驚いてしまう。
｢……うわ、ここ、れおくん家の近くにある公園じゃん……｣
それでも俺は不思議とこの場から離れ難くて
街灯の小さな光が仄かに照らすベンチにそっと腰掛けた。
日が傾いて、少しずつ夜になる。
冷えてしまった指の先を温めようとそっとブレザーのポケットに手を入れた時、
指先に硬いものが触れる。
小さな箱のような物を取り出してみると、それはくまくんに貸していた音楽プレーヤーだった。
そういえば今日返してもらったんだっけ。
鞄の中から使い慣れた白いイヤホンを取り出してプレーヤーに繋ぐ。
気分転換にはなるだろうと再生ボタンを押した。
シャッフル機能でランダムに流れる音をぼんやりと聴く。
全部れおくんが作った曲だった。
目を閉じればそれぞれの曲を歌った記憶が瞼の裏に浮かぶ。
初めてのステージで歌った曲。
きらきらしたステージでれおくんが言った。
｢誰よりも強くなろう、俺達のKnightsは凄いんだって世界中の奴らに見せつけてやろう｣
手にした剣を交差させて誓いを立てた。
そうして俺達は集まった。
曲が終わりを告げてまた始まる。
そこで俺は閉じていた目を思わず開いた。
――初めて聴いた曲だった。
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とまと。(プロフ) - はるなさん» そう言って頂ける方と出会う事が出来、感無量です…!私には勿体無い言葉の数々を有難うございます、最後までお付き合いして頂けると嬉しいです。 (2017年5月9日 22時) (
レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» そんな嬉しい言葉を掛けて頂いたのは初めてです…!最後まで感動して頂けるように頑張ります。 (2017年5月9日 22時) (レス) id: 5b7907730c (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - この物語、本当に好きです！このお話と出会えて良かった！続き楽しみにしています。頑張ってください!! (2017年5月8日 23時) (レス) id: 651f5172c0 (このIDを非表示/違反報告)
聖泉 - とまと。さん» 感動しました。このお話を読んでいてよかったです(^^) (2017年5月7日 23時) (レス) id: b0c24886c2 (このIDを非表示/違反報告)
とまと。(プロフ) - 聖泉さん» まだまだ完結まで時間の掛かる2人ですがゆっくり温かい目で見てあげてください…!応援有難うございます(*^^*) (2017年4月15日 14時) (レス) id: efe978ed57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えはら | 作成日時：2016年12月7日 19時
