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「ハッ。それならお前ら
勘解由小路無花果はそういうと軽く舌打ちをした。
相応イライラしているのだろう。
それはこちらとて同じだ。俺は「じゃぁねぇ〜」とそれだけを言うとブチリと通話を切った。
「俺にはあいつらがいればいいんだよ…………」
真っ黒になった画面を見ながら俺はポツリと呟いた。
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ポッセこそ俺の生命維持の飴玉だ
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「でねぇぞ……………。幻太郎………………やばくねぇか?」
俺は幻太郎から借りた電話を見つめながら、幻太郎に声をかけた。
幻太郎は顔を歪ませ、かつてない程の真面目な声をだす。
「それはヤバいですね…………。あの子の事です。一人で抱え込むことが多い…………。もしかして今頃中央区に襲われているかとしれません。」
俺は「だよな」とだけいい幻太郎の真っ黒なスマホ画面を見つめた。
「小生、乱数を探しに行きます。」
幻太郎はそう言うと少女を抱えたまま、外へ勢いよく出ようとした。
それを俺は慌てて止める。
「幻太郎。乱数今向かってるってよ。」
乱数に対して過保護気味の幻太郎を落ち着かせる様にして、先程気がついた、乱数とのLINEを見せる。
「用事があったみてぇ」
幻太郎は自分のスマホ画面をマジマジと見つめると、深い溜息をついた。
「それは良かった……………」
ガックリと肩を降ろす幻太郎に俺は問いかけるような目線を向けた。
「それにしても幻太郎お前、そいつ………普通に抱えたまま行こうとしてただろう。」
幻太郎は下に向けていた顔を上げ「はてさてなんの事やらぁ〜」と、首を傾げた。
『…………………………ん』
幻太郎の腕の中で少女の綺麗なソプラノの声が漏れる。
どうやら目が覚めたようだ。
ゆっくりと目を覚ますと、その可愛い顔に少し困惑の色を浮かべる。
『……………………………ここ………………………どこ』
たどたどしく言葉を告げると、少女は幻太郎の顔を見つめた。
その姿を見た幻太郎は顔を思いっきり歪ませ、ポツリと呟く。
「……………ここまでとは………………。この少女……………………………普通の少女ではありませんね…………………。」
俺は幻太郎の方へ歩いていくと少女の顔を覗き込む。
「おい。お前大丈夫か?」
少女は焦点の合わない瞳をこちらに向け、コクリと頷く。
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あめ屋(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィさんっ!!!コメントありがとうございますっ!頑張りますっ! (2022年1月6日 23時) (レス) id: 7f6b79a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
あめ屋(プロフ) - Luaさん» ありがとうごさいますLuaさんっ!頑張りますっ! (2022年1月6日 23時) (レス) id: 7f6b79a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
あめ屋(プロフ) - 彩華さん» 彩華さんっ!ありがとうございますっ!更新頑張りますっ! (2022年1月6日 23時) (レス) id: 7f6b79a6d4 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年1月6日 14時) (レス) @page10 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年6月29日 19時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ屋 x他1人 | 作成日時:2021年1月5日 22時