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「私にとって一番蒼琉が大切だから、
蒼琉に幸せになって欲しいから、
蒼琉に傷ついて欲しくないから、
だから、離れる道を選んだのに
やっぱり蒼琉しかいなくて」
「それで?」
まだ彼の声は冷めていた
「蒼琉がいなきゃ生きてけないから、
蒼琉じゃないとダメだと思ったから
私は先生からも生徒会からも逃げて
蒼琉の所に来たの」
「うん、で?」
「確かに私はワガママだよ
離れることで、蒼琉を裏切ったし
蒼琉を傷つけた
彼女にしてよなんて言わないから、
蒼琉の側にいさせてよ
助けてよ…」
私の顔は涙でぐちゃぐちゃだ
泣きすぎてうまく喋れない
彼の顔も
声も
動きも
何も見えない
完全に一人の世界だった
「やっぱお前はワガママだよ」
そう言って彼は私を抱きしめた
背中をさすってくれた
頭も撫でてくれた
安心する温もりだった
「俺だって、お前と離れてから、
もうおかしくて、どうにかなりそうだったよ
やっぱり、
彼女じゃなくたって、
恋人なんて言葉にしばられない
そんな俺らの関係が一番大切なんだ」
「私も、そう思ったよ」
二人で笑った
抱き合いながら
今まで何だったのだろうって思いながら
でも、胸の奥底にあるつっかえは
依然としてとれない
でも、
家族でも
恋人でも
何でもない彼が
私にとって一番大切だって思った
やっと彼を理解できた
三年の月日が経っていた
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とまとちゃん(プロフ) - rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好きさん» ありがとうございます!! (2018年2月4日 19時) (レス) id: dbb7af4aeb (このIDを非表示/違反報告)
rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好き(プロフ) - 面白いですね (2018年2月4日 16時) (レス) id: 5c4cf51bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とまと | 作成日時:2018年2月3日 0時