【銀魂】神威くん専用花魁

第十六話 ページ17

.




続けられるキスは思ったより優しかった。

顔を一度離してからまたキスをする。

両肩を掴まれ、顔を傾けて近づけてくる神威に少しドキドキして待つ。




「Aがいなくなったから他の奴らが花が無くなったってうるさいんだ。」

「はい？」

「阿伏兎は俺のせいだって言う。ひどいよネ。」




十中八九お前だよ。
そう叫んでやりたいよ。




「Aちゃん…。なんで、そいつに…。」

「なんでだろう。私を連れ出しに来てくれたから、かな。」

「Aちゃんは、ここの…。」

「ただの汚れた遊女よ。」




自嘲気味に笑う。
それにね、と神威の腕を掴む。




「私は神威専用の花魁になってしまったから。」

「離れた奴がよく言うネ。」

「誰のせいだと思ってる？」

「俺だって言いたいの？」

「よく分かってるネ。」




少し神威を真似てみれば「それ俺の真似？全然似てない」と非難を受ける。

別に似てる自信があってやったわけじゃない。




「だから私は今日限りで花魁をやめます。」

「そんな…。」

「正式に知らせます。今度はちゃんと。」




この世界で生きていくって、さっき日輪に言ったはずだったのに、かっこつかないじゃない。




「行くヨ。」




軽々と抱き上げられ、思わず首に腕を回すと帰ってからネ。というお誘いに私は首を縦に振った。




.

第十七話→←第十五話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す