第十五話 ページ16
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「え…。」
「な、何をしてるっ!」
「何ってキスだけど。分からない?」
客にバッと神威から体を離される。
自分の唇に触れると確かに触れた感触は残ってる。
初めて、行為以外で神威からキスされた。
「A、お前はここに居るのが嫌で抜け出したんだろ。ならもう一度、俺と抜け出そう。」
あの時と同じように手を差し伸ばされる。
一つ違うのは他の男がこの場所にいるという事。
それが、私をここに縛り付ける。
私はここで生きてここで死んでいく存在なんだと、気付かされる。
神威の手をとる事に戸惑ってしまう。
「Aちゃんはそんな事しない!この吉原には必要で大切な人だ。誰がお前に!」
「うるさいな。そろそろ黙らないと殺しちゃうぞ。」
神威の殺気を感じ取ったのか急に大人しくなる。
私はそんな彼に尋ねた。
「私がここに必要とされてるのは体の関係を作るためですか?他の子では満足出来ないから私が必要なんですか?」
「そ、そんな事はない。俺は本当にAちゃんを!」
図星だ。
こんな奴らのために日輪は、私は何年もここに…。
そう思うとこの客に抱き締められてるのが嫌になり、腕を振りほどき、神威の手を掴む。すると力強く引いて今度は神威の腕の中に収まった。
「かむっ…。」
「黙れよ。」
何度も降り注ぐキスに私は目を閉じて応えた。
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時