マイキーの嫁は不良の血が流れるお嬢様【佐野万次郎】 (ページ5)

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喧嘩賭博ページ5

次の日

「ケンチン、これからどこ行くの？」
「昨日も言ったろ。キヨマサが喧嘩賭博やってんだとよ」
「誰それ」

結局昼過ぎまでマイキーの部屋で寝ていた私達をドラケンが起こしに来てくれた。
ちなみに私は腰が悲鳴を上げていて、ベッドから降りるだけで10分はかかった。

嘘じゃない。大マジ。

今はマイキーのどら焼きを買って喧嘩賭博の会場とやらへ向かっている。
マイキーがチャリに乗せてくれてるのはいいんだけど、チャリの振動が腰に響く。

『あー、マイキーのせいだー。私喧嘩賭博行きたくないー(棒)』
「あいつに腕掴まれて、香水の匂いさせてたAが悪い」
『え、どう見ても私が被害者じゃね？理不尽。』

「お。あれじゃねえか」

ドラケンの視線の先にはキヨマサと思われるでかい男とボロボロの金髪がいて、取っ組み合っていた。

いや、金髪が一方的にやられてるな。

もうあんなに傷だらけなのに、なんでそこまで食い下がるんだろう。

「バットもってこい！！」

キヨマサがなにか言ってる。
バットって・・・タイマンじゃないのかよ。
さすがに見ていられなくなって、マイキーとドラケンを差し置いて前に出た。

『ほんと、そういう喧嘩って・・・気分悪い』

私が声を発すると同時に、その場が静まり返った。
その場にいた人たちみんなが状況を理解できないといった顔をしていた。
普段なら私を制するマイキーたちも今日は何も言わない。

というかマイキーはどら焼き食べ終わるまで参戦する気はないらしい。
独断で突っ込んだとはいえ彼女が危機的状況なんだぞ、どうした彼氏。

私がキヨマサに近づくに連れ、少しずつ周囲がざわつき始める。

「おい、なんで総長の嫁が出てくるんだ？！」
「知らねえよ！俺だってこんな近くで会うのは初めてだぞ」
「てかあの人めちゃ強いって噂じゃなかったか？」

「・・・エリー・・・」

キヨマサが私を警戒した目で見る。

『気安く名前呼ばないでくれる？
　私ね、アンタみたいな真正面からぶつかることもできない弱い男・・・

　大嫌いなの』