マイキーの嫁は不良の血が流れるお嬢様【佐野万次郎】 (ページ11)

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花火大会ページ11

わちゃわちゃしてる間にエマちゃんもやってきた。

「3人でなにしてんのー」
「おせーよ」
「これエマの分ね」
「え、ヨーヨーじゃん。かわいい」
『エマちゃん、ここ来てここ！』

一番背が高いドラケンにスマホを渡し、盛れる角度で持たせ直した。
エマちゃんはドラケンに腕を組み、
わたしはエマちゃんと手をつなぎ、
それに嫉妬したマイキーが私に後ろから抱きついた状態になった。

『マイキー、ドラケン、エマちゃん』

「？」
「あ？」
「なあに？」

急に名前を呼んだ私に、3人は不思議そうな顔をする。

小さい頃も4人で花火を見に来たことはある。
毎年来れたわけじゃないし、揃わないこともあったけど。
予定が合う日は必ず来て、みんなとても楽しみにしていた。

『今年もみんなで来れてよかった。大好き』

「オレも」
「ったく、Aのくせによー」
「Aちゃんしか勝たん」

ピコン。

『え、今のってまさか動画の音？』

まさか録られてるとは思ってもなくて、恥ずかしがる私をよそに、マイキーはナイスケンチン！とか言って動画を催促してる。

『ちょ、バカ！やめろー！消せー！』

結局最後にもう1枚撮った写真には、嬉しそうな3人と少し頬を赤らめてはにかんでる私が映っていた。
その後ろでは夜空に色とりどりの花が咲き乱れていた。

その日から4人の携帯の画面は同じ写真になって、しばらくは見分けがつかなかったとか。

それから最後まで4人でワイワイ言いながら花火を見た。

途中で通りがかった小さな女の子が、花火が見えなくて泣き出しちゃって。
それを見たドラケンが肩車してあげた。

結局女の子は花火よりドラケンの髪を気に入ったらしく、しばらく遊ばれていた。

それを見て笑いながら隣で女の子をあやすエマちゃん。
花火が終わってからもしばらく遊んであげてるドラケンとエマちゃんたちを、私とマイキーは近くのベンチに座って眺めていた。

『あの二人も早くくっつかないかなぁ』
「あぁやってるとほんとに家族みてえだよな」
『うん、面倒見がいいパパケンと優しいエマちゃん』

「なぁA。帰りに2人で花火しねえ？」
『さっき花火見たのに？…大賛成』

こういうところ、さすが私たち。