【歌い手】僕は被害者【skt】

はちわ ページ10

坂「Aさん、何か悩み事でもあるん？」




あれから数日後、坂田と久々に飲みに来ているとき不意にそう言われた。
え、私そんなにわかりやすかった？？
え？？


そんな私の気持ちを汲み取ってか、坂田が優しく笑いながら口を開く



坂「俺、結構そういうの得意なんよ。当ててみてええ？」




『う、うん』




坂「_元カレのことなんやない？」





私の後輩すごすぎない？？
私の動揺が目に見えてわかったのか、坂田が苦笑いをする

待って、イケメンだし優しいし気遣いできるって…私の後輩できすぎてこわい。





坂「んふふ、Aさんわかりやすすぎん？」




『坂田がすごいだけだよ！よくわかったね』




坂「やろぉ？でさ、一つ提案があるんよ」





少し上目遣いで詰め寄ってくる坂田
あざとい
あざとすぎる

そんな気持ち隠すことなくデレデレの顔のまま、聞き返す





『なに？』





坂「…俺が彼氏の振りして、元カレさん諦めさせようや」





元カレにさんってつけるとかかわいい…
じゃなくて





『え！？大丈夫だよ。ありがとうね坂田』




私がそう言うと、少し頬をふくらませる坂田





坂「俺が守りたいんよ！どうせ一回は裸見た仲やろ？」





『ちょちょちょ』





可愛い顔して何言い出すんだこの子は

確かに見た仲だけど！！なんて叫びたい心を沈めて坂田の顔に向き合う
その顔は、笑顔でなんの下心すら感じない純粋に優しい人なんだと改めて認識する





坂「な？」





『…はぁ、わかったよ坂田。よろしくね』





坂「おん！」






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