ヒツジと狼スピンオフ #tokyo-revengers (ページ12)

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夢⑤ ページ12

Side 竜胆

あれから、俺らが仕事のときはなるべく三途が
三途が仕事のときは当たり前に俺らが(予定変更させまくって九井が頭抱えてた)

俺らと三途、どちらもいるときには取り合って

段々とAは眠る時間が長くなっていった。

「Aちゃーん、映画鑑賞会だぞ～」

「やった！今日は何見るの？」

「あえてのベッタベタの恋愛もん見るか」

「蘭ちゃん秒で寝てたじゃん」

「クソつまんなかった」

Aの好きなキャラメルポップコーン、抱えて向かえば
いつか俺らの家にいた頃みたいに、兄ちゃんに抱き枕にされているAの姿

俺はそれがなんだか懐かしくて、小さく笑う

『…なんだこの報告書』

『俺と竜胆の。ちゃんと出してえらくね？』

『当たり前のこと言うな』

あの日、あのあと
九井に怒られる前に兄ちゃんと報告書を提出しに行った

アジトではAがソファの上で、三途の胸元に抱え込まれていて
『さっき寝た』って三途が言ってた。

するりとその頭を撫でる

顔、三途の胸元にあるから見えねぇけど

『脅してスクラップ見せつけた、か。それで灰谷たちは拷問してきたって？』

『まぁそんなとこ。いる？左耳』

『いらね。お前ら揃いも揃ってカタギの女に必死になりすぎだろ』

『当たり前のこと言うなって言ったの九井じゃなかった？竜胆』

『九井だった』

『うるせぇ』

はぁ、と深いため息をつく九井
それより報告書こんな早く出したことなかったろ、それについて褒めろよ。

『…でも知っておく必要はあるんじゃねーか。カタギの人間だろ』

その言葉に、今まで黙っていた三途が口を開く

『そんときはきっちり殺す。んで俺も死ぬわ』

『俺も～』

『俺も』

目を見開いて心底不思議そうな顔をする九井

『は？』

ずっと思ってる

笑ってくんねーかな、って
できれば俺のそばで、って

「竜胆くん髪冷たい。乾かした？」

「Aがやって」

「うん。貸し1ね」

「そこをどうにかポップコーンで手ェ打ってくれませんか」

「よかろう」

ずっと。