【文スト】百鬼ノ図と隣人【肆】

【参謀の叡智.壱】 ページ2

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「首尾の方はどうだ？

といってもテメェなら数時間開けられるぐらいの執務量はこなしてんだろ？」


そう云った……、
我が物顔で持ってきた缶珈琲をのむ中原さんだって少しだけだが疲労が見られる。


まぁ、そりぁそうだろ。


この人だって幹部なのだから
この抗争中に仕事がないはずがない。



『それはもう、だいーぶ詰めましたよ。

林太郎さんとの会議会議会議会議！！
寝る間を押しんで詰めに詰めましたとも……。



中原さんも順次対応ありがとうございます。

紅葉さんがいないぶん、指揮を執ってくださって助かりました』



「ほっとけねぇし、あの人がかわいがってる部下だからな……。

そういうテメェだって、芥川の見舞い何度かいってんだろ？」



『彼は焚きつければ萌えるタイプですから。


何度も足を運んだら私を苦虫を噛み潰した顔で見たあと、治療に専念すると大人しくなりました』


「ははは、怖ェ怖ェ。
どうせ足を運んだだけじゃねぇだろ、それ」



『うっさいです』



仕方ない。

だって、
芥川くんに今戦線を離れられたら困るとの林太郎さんの言葉があったのだから。



「あぁ、そうだ。
とりあえず一通りには手ェ回ったぜ。



銃弾を麻酔弾への切り替え、

捕縛武器保持の義務化、

スタンガンも今頃構成員に行き届いているはずだ」



『さすが仕事早いですね！！

まさかここまで早いとは思いませんでした……』



「物資があればな。
それを配って指示を出すぐらい容易いさ。


……あぁ、
あと殺傷武器の携帯も控えるよう通達した。

これで同士討ちの可能性はない」



本当に、この人の手際の良さには舌をまく。


中原さんは、「で、」と言葉を続けて
持ってきたビニール袋とは違う紙袋から、
ソレを取り出した。



黒の厚手のグローブが２組。


サイズは私のものと中原さんのもので用意されている。




「出来上がったのがこれだ。

普段あんまつかんねーモンだから、在庫ねぇから苦労したが用意できた」



『……へぇ。見た目はただの手袋ですね』



「おいおい、お前が言い出しっぺだろ…。
見たことなかったのかよ」



『……悔しながらそうですね。

見るのも使うのも初めてです』




コレは私たちの戦闘スタイルに合わせて用意したもの。
この戦いにおいてのキーポイント。





この手袋の名は、【スタングローブ】。



触ったものを感電させる。
肉弾戦で戦う私と中原さんの、切り札だ。
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【参謀の叡知.壱】

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