【文スト】百鬼ノ図と隣人【壱】

【嘘つき共の晩餐】 ページ5

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灰色の可愛いネズミの友人から云われた言葉。




「“あの中原って言う男と関わるのはよせ。
アイツはマフィアの幹部だ。

おれは、アイツがニンゲンを次々と殺すところを見たんだよ！」




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『(でも結局、あれ以来なんやかんやとお世話になっているな)』



忠告を無視したことには腹は立てたらしいが、彼らは今のところマフィアの方々を信用しているらしい。




彼らは決して悪い人ではないと思うのだ。



相談に乗ってくれたり、遊んでくれたり、まったりとお食事したり。

至り尽せり。



その私の心が、動物の友人にも伝わっているのかもしれない。




『(それに、私のこのチカラを相談できるかもしれない唯一の人達)』






異能と呼ばるような、“そういう”ものがあることは知ってた。

けれど、確証なんてなかったし騒ぎ立てて気味悪がれるのも嫌だった。

いつか、この心のうちを開けて相談できればいいと思っている。







そもそも、動物と話せるだけのチカラを異能と言ってもいいのかすら危うい。



中原さんみたいに攻撃系でもないし………。





唯一の強みは、この街に張り巡らされた“動物ネットワーク”。

監視カメラよりも性能はいい。


……………気まぐれだけど。





「何小難しい顔してんだ？」



『数学のベクトル問題を考えていたんです。課題が出ていたのを思い出して………』



「ふーん。そうか」



『(あ、バレた)』





たまに、ふと思うのだ。

嘘をついても、何故だかバレたんだな、と。
そして、深くは聞いてこない。

それが、優しさなのか怠慢なのか知らないけど。




シャツを届けてから、お礼にとご飯を奢ってくれた。

それが、ズルズルと引きずって何回か一緒に食事をしている。
彼のススメるお店はどれも美味しいものばかりで、しかも有名店ていう訳では無い。




「……課題ねぇ。そういえばどこの高校通ってんだ？」



『×××高校です。ご存知ですか？』



「マジかよ。知ってるも何も、某有名難関市立高校じゃねーか。

そんなに頭良かったのかよ｣




『心外です。之でも成績優秀なんですよ？』




「なんだろうな、童顔だからか？

と、それよりも課題あるのに誘って悪かったな。かえんなくて平気か？」




『明日までってわけでもないので。

中原さんのチョイスは美味しいので遠慮せずまた誘ってください。』



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