【ワートリ】最後まで、護り抜く。

『ボーダー上層部』 ページ5

開発室で用事を済ませ、会議室に入る。

「霧宮A、城戸司令のお召しにより参上いたしました」

迅が見上げてくるのが少し面白い。
城戸さんが口を開いた。

「ご苦労。なぜ呼び出されたかは分かるな？」
「本日発生したイレギュラー門(ゲート)。その原因究明のための協力依頼でしょうか」

林藤さんが苦笑する。
城戸さんは頷いて言った。

「……うむ、その通りだ。お前は迅と共に原因を調査してもらう」
「そのことですが、迅が既に何か掴んでいるようです」
「は、ちょ、おまっ」
「というわけで説明よろしく」

迅にまるっと説明を押しつけて、私は壁に寄りかかる。

「お前ほんとおれに対して冷たいよな」
「愛情の裏返しだよ」
「うわめっちゃ棒読み！！でもなんか嬉しい！！」
「いいから説明」

椅子の背を思いっきり蹴ると、迅はやっと説明し始めた。

「あー、えっと……イレギュラー門(ゲート)の原因探しはこの実力派エリートに任せてください。その代わりと言っちゃなんですが＿＿」

眼鏡をかけた男子中学生の肩にぽんと手を置く迅。

「＿＿彼の処分は、おれに任せてもらえませんか？」

城戸さんの表情が険しくなる。

「……彼が、関わっているというのか？」

迅は自信たっぷりに頷く。

「はい。おれのサイドエフェクトが、そう言ってます」

『駆除作戦』→←『ボーダー本部』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す