『ボーダー本部』 ページ4
とりあえず、目に見えた範囲のトリオン兵は全て駆除した。
「三輪、そっちは?」
「問題ない」
「分かった。佐鳥、戦闘終了でいい?」
『はい!』
通信を切って、トリオン兵の骸をグラウンドの隅へ運ぶ。
「これは呼び出し案件だと思うんだけど」
「激しく同意する」
今にも骸を切り刻まんとする三輪をぐいぐい引っ張って、被害状況の調査。
「グラウンド抉れたな」
「盛大に抉れたね」
『佐鳥は呑気に話す内容じゃないと思うんですよね、ソレ』
呆れたような佐鳥の声。
なぜ時枝がいなかったのかと聞けば、嵐山隊は佐鳥以外の隊員で広報任務だったらしい。
佐鳥は今回完璧に忘れられたそうだ。哀れ。
にしても、呼び出しか……。
「面倒だなー……」
「おい、声に出てるぞ」
「だって面倒だし」
「……まあ、確かにそうだが」
三輪の口からボーダー関連のことで面倒だと聞くことになるとは。
今夜は、爆撃でもあるんじゃなかろうか。
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「……ということを今日の昼に私は考えたのだけれど」
「秀次に対して失礼じゃないか、ソレ……」
「正直反省してる。でも、まさかこんな形で的中するなんて思わない」
夕方、私は迅と一緒にボーダー本部に来ていた。
本部では支部の隊員を見ることが珍しいらしく、少しざわついている。
「おー、やっぱ噂になってるなー。さすが “銀狼” 」
「……うるさい」
カツカツと廊下に足音が響く。
ふと隣を見ると、迅がいなかった。
前に視線を戻す。
(沢村さんが危ない!!)
沢村さんにセクハラを仕掛けていた迅に飛び蹴り。
私は沢村さんの隣に降り立つ。
「ご無事ですか、沢村さん」
「ええ、ありがとう」
「おれは無事じゃなくていいのかよ!?」
「お前はトリオン体だから」
「うっわ視線が絶対零度!!」
なんて会話をしていると、前から三輪が歩いてきた。
そして、
「……なんで土下座してるの」
「明日の補習助けてくれさい……」
華麗なスライディング土下座を決めた三輪。
聞けばどうやら古文が苦手らしい。
「いいけど……じゃあ、ちょっと開発室まで付き合って」
「分かった」
迅にニヤニヤしながら送り出されたので、とりあえず蹴っておいた。
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www - 城戸さんが「うむ」ってwww多分キャラ的に「嗚呼」だと思いますよ (2019年2月26日 4時) (レス) id: 2e517376a9 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 逆さやママ金山に屋富祖たなん目やさん» 普段はワって言ってますが強いて言うならワートリ派ですね! (2018年12月6日 6時) (レス) id: d1dd68fc2d (このIDを非表示/違反報告)
逆さやママ金山に屋富祖たなん目や - ワートリ派?ワルトリ派? (2018年12月5日 18時) (レス) id: e4ac110d13 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 柊那さん» ありがとうございます!ホントにありがとうございます!更新頑張ります。面白いと言っていただけてホント嬉しいです! (2018年5月17日 6時) (レス) id: d1dd68fc2d (このIDを非表示/違反報告)
柊那 - 面白かったです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください( -`ω-)b (2018年5月17日 6時) (レス) id: 6886eff87c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:澪 | 作成日時:2018年2月24日 19時