【ワートリ】最後まで、護り抜く。

『出水 公平』 ページ30

「A、お前また……」
「待って待ってマジで今回は違うから」

迅の言葉を遮って事情を説明すると、迅は小さくため息をつく。

「ったく……まあ、気絶しなかっただけいいや。歩けるよな」
「うん」
「んじゃ、帰るかー。今夜は任務だぞ」
「わかってる」

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「三輪、お前さ……ちょっと玉狛のこと敵視し過ぎじゃね？」
「近界民(ネイバー)は全て敵だ。近界民(ネイバー)を庇う玉狛は裏切り者だ」

ばっさりと言い切る三輪。

「その発言霧宮にも被害行ってんじゃねーか」
「……霧宮は別として、だ」
「お、おう……」

やっぱり恋って人を変えるんだな、と思う。

出会ったばかりの頃は霧宮のことも敵視していたくせに、今じゃ立派な恋する男子。霧宮は特別扱いになってやがる。

「……今日はおれの奢りで飯行こうぜ」
「なんだと？」
「もっと聞かせろよ、お前の恋バナ！」
「こっ……ふざけるな出水いいいいいいいい！！」

お前ト○ンザムしてんのかよとツッコみたくなるレベルのスピードで追いかけてくる三輪に茶々を入れながら、おれは食堂へ走った。

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