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#34 ページ36

「ーーーーー精密検査を行いますので、あなたの身柄はコルニクルムに一時勾留されます
検査結果によりあなたが“喰種”と判断されれば正式にコクリアへ収監されます」

「あいよ」

琲世の言葉に高槻はそう言った

「………読みましたよ」

「それはどうも」

「……あの本はどういうつもりで」

「書いたままだけど?」

ーーーーーこれは王に捧げるものであり、“喰種”達の希望の導になるものだ

高槻は言った

和修家への不信を煽るのが目的だと

「着想は母…憂那の遺したメモだ
メモには『V』という団体について記されていた
団体について調べるため、『V』の構成員だった父・功善に近付いたんだ
私というのはその余剰でしかない」

「……『V』とは?」

高槻に琲世はそう聞いた

「玉座であぐらをかく独りよがりの籠の王だ
この世界を自らの所有物だと勘違いしている連中」

「そうやって、いつも他人を取り込むんですか?」

「そうやって?」

「『作り話』で…という意味です」

琲世は高槻にそう言った

「信用できないのも無理はない
取り込む気満々で喋ってるし……では、与太話ではない証拠を」

高槻は立ち止まり言った

「Rc検査ゲート 通った事があるんじゃないか?」

「……!」

「ゲートは反応したかな?
理論的には反応するはずだ 喰種と同等のRc値を記録する君であればね
どうだい? 私の考えでは、君の身体はゲートに反応しなかった筈だが?…」

ーーーーーゲートは…あのとき…

「アレは『ある一定のRc細胞パターン』を検査から除外する仕組みになっている
元々、クインケの誤反応を避ける為の機能らしいが」

ーーーーー他に除外対象として『検知されないRc細胞パターン』がある

「『Vに所属する喰種』、『V』に所属していた功善やその娘の私、そして…『神代リゼ』やその赫包を持つカネキケン
君に“悲劇”を授けた女は、『V』から逃げ出した“喰種だよ”」

「………………………」

高槻の言葉に琲世は口を閉ざした

「あぁ…忘れてた あと、もう一人…」

「…?」

「君の()…十六夜Aも、ゲートには反応しない」

「!?」

高槻の言葉に琲世は目を見開いた

「待ってください……何故、あなたが僕の姉を…
いえ…彼女が喰種、そう言っているんですね?」

「あぁ 信じられないかい?」

「………」

「無いわけじゃないだろう? 心当たり」

ーーーーー心当たりはある…琲世が暴走したあの時のあの感触…

「ま、それは本人に直接聞くなりなんなりしてくれ 私から多くは言えん」

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朱鷺の砂(プロフ) - pookyさん» ありがとうございます!! (2020年8月23日 15時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
pooky - とても、面白いですね!続きが気になります! (2020年8月23日 12時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年8月19日 16時

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