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#27 ページ29

十六夜Aが愛用していた鱗赫のクインケ『シリュウ』

これは元々、十六夜のものではなかった

これは、11年前に殉職した十六夜の上司、波切葵上等捜査官のものだった

それを十六夜は形見として受け取り、今まで使っていた

それも、今日で終わったのだが…






「武器はもう無ぇ これで終わりにするか?」

コールは十六夜を挑発する様にそう言って赫子で十六夜に攻撃を仕掛けた

ガンッ

「!?」

十六夜はもう片方の手に持っていたアタッシュケースで赫子の攻撃を防いだ

パカッ

その衝撃でアタッシュケースが開き、中からクインケが現れた

黒い鞘に納められた刀身の長い刀

一般的には大太刀と呼ばれる刀の形状をしている

「…………19の時…ある喰種から作り出したクインケだ
これを持ち出したのは、梟討伐作戦(あの時)以来だが…これを使う(・・)のは何時振りだったかな…?」

十六夜はそう言って刀を鞘から抜いた

100cm近くあるであろう刀身は漆黒

SSレート、鱗赫のクインケ『夜雨(よさめ)

ザッ

コールは『夜雨』から異様な雰囲気を感じ、後退った

「喰種のくせに…白鳩の真似してんじゃねぇよ!!」

そう言って赫子を使い、十六夜に攻撃した

ズバンッ

だが、『夜雨』をいとも簡単に操る十六夜は、コールの赫子を斬り落とし、体を斬りつけた

「……!!」

ドサッ

「この『夜雨』は、血に飢えている」

十六夜は静かに言った

「何…?」

「『夜雨』は、クインケでありながら……獲物の血を吸う」

「血を…?」

十六夜の言葉にコールは聞き返した

「人間も喰種も全ては血だ
血がなければ、再生も赫子の発現にも時間が掛かる
それに、血がなければ…人間も喰種も例外なく死ぬ」

十六夜はそう言うと、膝を付いたコールに『夜雨』の切っ先を向けた

「……俺達に勝ち目は無かったってことか…」

仰向けのまま、コールはそう言った

「死神だけ警戒しときゃいいってのは、安直な考えだったな……再生が追いつかねぇ…
なぁ、アンタ…ちゃんと俺を殺せよ」

「…! 捜査官に殺してくれと頼んできた喰種はお前が初めてだ
それに、私に『夜雨』を使わせたのも……(私が喰種だと見破ったのも…)」

「ハッ……そりゃあ、光栄だな
………なぁ…恋人の手料理ってのは…どんくらい美味いんだ?」

「恋人が居るのか?」

「あぁ…人間のな
喰種が人間と共存なんて、やっぱできねぇのかな…」

「…………」

十六夜はコールの言葉を聞くと、『夜雨』を振り下ろした

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朱鷺の砂(プロフ) - pookyさん» ありがとうございます!! (2020年8月23日 15時) (レス) id: 8ffe6e82ed (このIDを非表示/違反報告)
pooky - とても、面白いですね!続きが気になります! (2020年8月23日 12時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2020年8月19日 16時

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