【東京喰種:re】有馬貴将の右腕 (ページ24)

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夜

十六夜は琲世達のシャトーに足を運んだ

「こんばんは」

玄関に行くと、

「Aさん…すみません、本当は僕の方が行かないといけないのに」

琲世が出迎えてくれた

「いや、いいよ
それより、何かあったか？」

リビングに通され、十六夜は琲世にそう聞いた

「………キジマさんがウェブサイトに上げたロゼ宛の動画を観ましたか？」

「あぁ…あれか観てないな」

「そうですか…」

「観ずとも何が映っていたかは分かる
対策法に抵触しているが…査問会があのイカレ野郎をチームから外すとは思えんな」

「……詳しいですね」

「まぁ…付き合いは長い」

リビングのソファーに座り、十六夜はそう言った

「っと…話が逸れたな
それで、私に聞きたいこととは何だ？」

「その事なんですけど……」

琲世はそう言ってリビングの扉の方を見た

「人目が気になる話か？」

「………まぁ、はい」

「なら、別の日にする？」

「え、そんな…！態々忙しい中来てもらったのに…！」

十六夜の言葉に琲世はそう言った

「(私が忙しいのは誰かさんのせいなんだが…)」

「あの…僕の部屋ならあの子達も近付かないと思うので、そこでも良いですか？」

「あぁ別にそれは構わないが…」

「ありがとうございます」

琲世はそう言うと、十六夜をシャトーの自室に案内した

十六夜は部屋の椅子に座り、琲世はベッドに腰掛けた

「Aさん…あの『phantom』の件の時、僕は暴走して、Aさんがそれを止めてくれたんですよね？」

「あぁ」

琲世の問に十六夜はそう返した

「あの時…よく覚えてはいないんですが、僕は……Aさんの事を赫子で刺した気がするんです」

琲世は左手で頭を抱えながら言った

「だったら私は今、此処にいないな」

「で、ですよね
それで…その時から、『彼』がずっと僕の中で辛そうに呟くんです」

ｰｰｰｰｰ『おねえちゃん』と…

「………」

「Aさんは…昔の僕を知っているんですか…？
何で『彼』は、貴女の事を『おねえちゃん』と呼ぶんですか…？」

「…………」

十六夜は、琲世をじっと見ていた

そして、椅子から立ち上がると、琲世の隣に座った

「？」

「………初めて琲世に会った時を覚えてる？」

「……」

「私達が初めて会ったのは『コクリア』……貴方が貴将君から名前を貰った時だった」

十六夜は懐かしむ様に言った

「目の前で一人の人間に名前が授けられる瞬間を見たのは、これが二回目(初めて)だった」