【東京喰種:re】有馬貴将の右腕 (ページ14)

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#12 ページ14

「丈君、助けて」

間もなくして来た平子に十六夜はそう言った

「お前なら自分で何とかできるだろう」

「ただ上に乗っかってるだけならね」

平子の言葉に十六夜は苦笑して言った

よく見ると、琲世は十六夜に抱きつく様にして気絶している

「………」

平子は琲世を十六夜から引き剥がした

「あー……窒息死するかと思った」

十六夜はそう言うと、『アマネ』持ったまま伸びをした

「…お前、『アマネ』が…」

「治るかなぁ…これ」

「さぁな
『シリュウ』の方は倉本が取り返したぞ」

平子が十六夜にそう言った

「そっか後で礼を言わなきゃね」

十六夜はそう言うと『薄氷』をアタッシュケースにしまい、九鬼に盗まれた『IXA』を回収した

「………赫子(・・)を使ったのか？」

「真逆」

十六夜は白いコートを羽織り、アタッシュケースを持った

「そうか…」

平子はそう言うと、琲世の事を背負って正面の方に向かった

「これから回収したクインケを預けて、琲世を芝先生に連れて行って、クインクス班に指示出して、報告書仕上げて、貴将君の代わりに出た会議の資料整理して、『シリュウ』の確認して、貴将君に『IXA』届けて、明日の会議の資料確認して……」

「(……一つおかしいのがあったな)
まぁ…クインケと佐々木は俺がやろう」

「良いの？」

「あぁ……思ったより、苦労してるみたいだからな」

「ありがとうついでに『アマネ』もお願い」

「あぁ」

「ﾊｧ…」

CCG本部に戻った十六夜は、自分のデスクに突っ伏していた

『おねえ…ちゃん……』

「お姉ちゃん、か……」

十六夜は琲世の言葉を思い出し、そう呟いた

「(あれは…記憶が戻ったのか…？
何にせよ、暫く顔を合わせない方が良いかもしれないな…)」

十六夜は目を閉じた

ｺﾄ…

「………」

十六夜が物音に目を開けると、そこには先刻までは無かった缶珈琲が置かれていた

「お疲れ」

十六夜はその状態のまま視線を上げ、缶珈琲を置いた張本人を見た

「貴将君…まだ居たの？」

「あぁ」

十六夜の視線の先に居たのは有馬だった

有馬は十六夜の隣のデスクに座った

「(郡にはこの事を言うべきか…否、後が面倒だな)」

「飲まないの？珈琲」

「え？ …ありがとう」

有馬に十六夜はそう言うと、缶珈琲を開け、一口飲んだ

「琲世が暴走したそうだな」