【ヒプノシスマイク】 ＭＴＣのまとめ役には姉がいる

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続く『Fling Posse』と『麻天狼』のバトルは『麻天狼』の勝利に終わった

会場は女性の歓声に包まれる

そんな中、歓声の一つどころか言葉を発さない者達が居た

Aはその中の一人に過ぎない

「明日の決勝は、『MTC』と『麻天狼』か…」

Aはそう呟くと会場を後にした


「矢張り、貴女でしたか…Aさん」

「！」

背後からの声に振り向くと、そこには『麻天狼』のリーダー、神宮寺寂雷が居た

「…決勝進出、おめでとうございます 寂雷先生」

「ありがとうございます」

「真逆、貴女が居るとは思いませんでしたよ」

「どういう意味です？」

「…貴女はラップが嫌いなものとばかり思っていましたから」

「……そうですね
まぁ…今回は、『絶対に優勝するから見に来てくれ』と目の前で言われてしまったものでね」

「それはそれは…」

「では寂雷先生 明日の決勝、楽しみにしていますよ」

「ええ」

Aと神宮寺はそう言って会話を終え別れた





ホテルの客室に戻ると、Aは鞄からパソコンを出し電源を入れる

そして、露路から受け取ったUSBメモリをパソコンに繋いだ

パソコンには次々とデータが表示される

そのほとんどが英語だった

「……なるほどね」

Aは文字の羅列を目で追い、読み終わると全てのデータを消した(・・・)





翌日

テリトリーバトル決勝は『MAD TRIGGER CREW』対『麻天狼』

昨日よりも迫力のある観客の歓声にAはまた呆れる

ステージに両チームが出揃った

「……」

Aはステージから目を離さない

ヒプノシスマイクが起動され、ラップが始まる

「…！」

Aは目を見開いた

昨日のバトルより更に力の入ったラップに息を呑んだ

「……やっぱり、嫌いだ」

その呟きは歓声に掻き消される





決勝戦の勝者は、『麻天狼』

一歩及ばず、左馬刻達MTCは負けてしまった

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