☆5ページ☆ 侵食者と潜書者【走れメロス】 ページ7
陽が西に沈み切る少し前、メロスは市の宮殿へと辿り着いた。
「王よ！今戻ったぞ！」
その声は神殿中に響く。
すると、王は、メロスを見て顔を顰めた。
「何をしに来た？」
「知れた事！友と勇敢な姫を救う為に戻ったのだ！」
「友とは誰だ？よもや、この男の事か？
しかと見ろ！この男は本当にお前の友か？救うに値する友なのか？」
王の問いにメロスは答えない。
其れどころか、彼はセリヌンティウスの顔を見るなり、"何故、俺を裏切った貴方が此処にいる!"と叫び。
遂には救うべき友をメロスはあろう事か、その手にかけようと刃を落とそうとした。
『やめて！彼を殺せば、貴方は消えてしまう！』
「…え…」(° °)
ｶｷﾝ
「悪いがその改変は許容出来ない。」
ｸﾞｻ
メロスが一瞬気が途切れるのを見計らい、芥川は素早く彼の持っていた剣を弾いた。
「あ、あんた…」
「悲劇も良い。
だけど、幸せな結末まで染めてしまうのは、露悪主義の極みだね。」
静かに怒りを称える芥川。
「こ、こいつらは一体なんなんだ…」
そして、兵が次々と姿を変えるのを見てメロスは、驚いた。
「侵食者だ。
菫の君は彼と共に下がっていた方がいい。
彼等は僕が相手をする。
メロス、君は、姫を守ってくれるかい？。」
「あ、嗚呼、姫、ご無礼をお許し下さい。」
メロスはAの白い手を握りしめると、再び芥川の方に目を向けた。
芥川はまるで舞でも舞っているかの様に次々と侵食者を斬る捨ててゆく。
「スゲェ、アンタ…一体何者なんだ？！」
「見て分からないか？ただの"文豪"だよ。」
『(ただの文豪は武器なんて持たないと思うけど…)』
「やはり、潜書者か！だが、邪魔はさせぬ！」
王の姿は見る見ると変わり、恐ろしい化け物へと姿を変える。
そして、ソレはメロスとAの方へ突っ込んで行こうと突進して来た。
「な、しまった！」
芥川の行動は虚しく、侵食者は二人の元へ。
そして、この時、Aは死を覚悟し目を閉じた。
ﾊﾞｼｯ
鋭い音がするが、いつまで経っても痛みはこない。
Aはゆっくりと目を開けると。
『え…』
其処には吹き飛ばされたメロスの姿が。
『ッ！太宰さん！太宰治さん！』
Aは吹き飛ばされたメロス…改めて、太宰を起こすと。
『貴方は…何をやっているのですか…』
悲しげな表情で、怒っていた。
☆6ページ☆ 人の世は… 【走れメロス】→←☆4ページ☆ 全て終わったなら… 【走れメロス】
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
