☆2ページ目☆ 信じて待つ人の為に【走れメロス】 ページ4
『王よ、どうか、怒りをお鎮め下さい。』
何故か不思議と発したその言葉に、王の間にいた王以外の人々は私に跪いた。
「…何の様だ！」
『王よ、この者の言った事をどうか良くお考え下さい。』
「あ、あんた、何で…」
「どう言う事だ…我が娘よ。」
「え、と言う事は…この人はお姫様？」
メロスの呟きにAは微笑みで返す。
そして、真っ直ぐとメロスを見た。
『若者よ、貴方は大切な人の為にこの地を訪れたのでしょ？』
「は、はい、私には妹がおります。
その妹の結婚式の為に必要な物を求めて…」
『そうですか…(やっぱり、この人は…)
父上、不躾ながら私から一つ提案致します。』
と言う流れで、無事にメロスを救い出した。
勿論、原作の通りに。
でも、一つだけ原作と違う事がある。
其れは…
「君、随分と大胆な行動をしたね。」
馬車を走らせる芥川を共にメロスの故郷へ向かっている事だ。
『ふふ、確かに思いました。
でも、あのまま放っておいたら、無頼漢で勇敢な若者は王の手によって無惨に殺されていたでしょう。』
其れにあの"メロス"は…夢で見た彼に良く似ていた…
だから…放っておかなかった。
「そうかも知れないね。
でも、姫である君が何故、たかが民草の彼の為に自らの命をかけたんだい？」
そう、私は王に進言したのだ。
もし、メロスが戻って来なければセリヌンティウスと共に死を賜ると。
普通なら、そんな事進言なんてしないだろう。
でも….私は…彼の事を…
『信じているからです、メロスを…。
其れに"待つ事で味わう苦しみ"をもう味わいたくないのです。』
その言葉を聞いた瞬間、又もや芥川は驚いた。
そして、二人がメロスの故郷に辿り着いた頃には。
既に盛大な式が開かれ、メロスの妹が幸せそうに微笑んでいた。
「皆さん、本日は私たちのために集まりいただき本当にありがとうございました。
大好きな人と式を上げることができて私は本当に幸せ者です。
こんな素敵な結婚式を開くことができたのはたった1日で準備をしてくれた兄のおかげです。」
そう言って微笑む花嫁を見ると、Aは自然と笑みが溢れる。
その一方で、メロスは酒の二日酔いの影響でしゃがみ込んでいた。
「宴に浮かれ、1番はしゃぎ、1番酒を飲む。
これから千里の道を走る男のとる行動としては、いささか目に余る。」
「あ、あんたは一体？」
混乱する中で、芥川に刃を突きつけられるメロス。
「時間が惜しい、余計な問いかけをするより、"走れメロス"君を信じて待つ友と姫の為に。」
こうして、脅されながら彼は走り出した。
☆3ページ目☆ 奮闘する者【走れメロス】→←☆1ページ目☆ 尊しと思わぬものは…【走れメロス】
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
