☆21ページ☆ 外伝 誰ソ彼青年はかの人の… 前半 【月に吠える編】 ページ24
僕達は潜書の為に朔くんの書いた"月に吠える"に潜書した。
だけど、力が入らない。
何故だろうか…
そんな事を考えていると、目の前には激しい足音。
更に、周りからはとてつもない悪臭が漂い。
僕は思わず手で口を覆った。
その時、遠くから男の声が聞こえた。
「おい、其処のアンタ！何してるんだ！」
僕は声のした方を見た。
其処には、まだ二十歳位の青年が駆け寄って来た。
「君は…「んな事、後だ！其処に隠れろ！」
青年は茂みに芥川を隠すと。
「お！我が友よ、お前こんな所にいたのか？」
「なんだ、お前か…」
足音の正体にホッとした。
「友よ、お前はあまり走り回るなよ。
幾ら、慣れ親しんで居るとは言えお前の足は義足「嗚呼、分かった分かった。
たく、お前は俺の親父か…」
ウンザリした表情になる青年に友は。
「ほう、其れは其れはかの文豪に喩えられるとはとても光栄だな。
まあ、兎に角、あまり隊の目の届かない遠い場所に行くなよ。」
そう言うなり、友が去ると。
「フゥーおいアンタ。
もう、出てきても大丈夫だぞ。」
芥川は青年の言葉通りに茂みから出ると。
「然し、こんな所で随分と珍妙な格好の奴と出くわすなんて思わなかった。
アンタ、華やかな格好をしているが一体何処の華族様だ？」
「誤解だよ。僕は華族じゃない、迷宮に迷ってしまった唯の"文豪"さ。」
「そうか…文豪…か。どおりで。」
彼はその言葉を聞いて…なんて言うのかな、とても寂しそうだ。
「実は死んだ俺の父さんも、小説家だったんだ。其れで…少しな…。」
嗚呼、其れでか…
「其れは…すまなかったね。」
「ん？別に同じ文豪だからって、縁もゆかりもない、アンタが謝る必要なんてないだろ。
其れに父さんが死んだのは俺が4歳の時だからな。」
4歳か…僕が死んだのも、丁度あの子が四つの時だったなぁ。
「其れで君の他に家族は？」
「母さんと、兄さんと弟がいる。
後…恋人が居るんだ。
まあ、もう生きて会う事は叶わないけどな。」
「……そうか。」
「だけど、昔、父さんが言ってたんだ。」
"人は死ぬと、スマトラの忘れな草の島へ、蝶々のかたちをした魂になって飛んでいく。島にたどりつくと、蝶々は白い香り高い花に変わる。それから、時が来て、また花は蝶になって飛びたつのさ"
青年は懐かしみながら自分のない筈の右足首に目をやった。
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
