☆18ページ☆ 桜の枝【桜の森の満開の下編】 ページ21
「そ、そんなにか？」
『「ええ、彼女は貴方の為に太宰治君を叱ったりしてたのよ。本当に真のしっかりしたお嬢さんで、母は安心しました。」』
「そ、そうか、だが、どうして桜下は俺の事を其処まで…」
『「さあ、其れは直接お嬢さんにお聞きなさいな。さて、そろそろ。」』
「逝くのか？」
『「ええ、何時迄も此処にいたら貴方と離れ難くなってしまいますからね。」』
アサは他の三人の方を向くと。
『「皆さん、どうかこれからも、息子の事をよろしくお願いします。」』
各々がYESと取れる反応をすると。
『「炳五、貴方の紡いだ物語は切なくも愛しい物でした。
そして、かつて貴方と縁を結んだ青年の娘に心から感謝を伝えなさい。」』
「は？其れって、ちょっ、お袋！」
その言葉を最後にアサの魂が消え。
『あれ…私…死んだんじゃ…』
代わりにAが目を覚ました。
「「「おっしょはん！/姫ぇー！/桜下！」」」
と、大の大人三人がAを潰す勢いで飛び込んできた。
「こらこら、そんな大人数で飛び込んだら"A"が潰れてしまうよ。」
が、寸前で目的の人物が消えた。
「大丈夫？怪我は…うん、治っているね。
良かった、君の綺麗な肌に傷が残らなくてホッとしたよ。」
フワリと立ち込める煙草の香りに、Aは思わず顔を赤らめた。
「ちょっと、幾ら芥川先生でも、わしのおっしょはんに手ェ出すのは見過ごせんで！」
「そう言う、オダサクだってちゃっかり姫の手を握ってるじゃないか！
芥川先生ならまだしもオダサクは触るなよ"俺の"姫なんだから。」
「ちょっと、其れは聞き捨てならんなぁ。
"わしの"おっしょはんに心中したなんて頼んだら許はんで！」
バチバチと火花を散らす二人を他所に。
『其れにしても、どうして私は助かったか…』
「嗚呼、多分、これのお陰だよ。」
芥川の懐から取り出されたのは、以前Aが渡した花弁が散りそうな桜の枝だった。
「こんな枝でも君の一部である事には変わりないからね。まあ、如何やら其れだけではないみたいだけど…。」
『其れって…』
「其れは俺の口からから話させてくれ。
桜下、少しこの辺りを散策しないか？」
安吾は文豪となった姿で歩き出した。
Aも彼の隣に並んで歩き出した。
『炳五…いえ、坂口安吾先生。』
「よせや、今まで通り、本名で呼んで欲しい。」
『いいの？』
「嗚呼、今更だしな。
その代わり、あんたの本当の名前も教えてもらってもいいか？」
Aは彼の言葉に驚くが。
『ええ、勿論よ。』
こうして、二人は桜の小道を歩き出した。
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なのは(プロフ) - 更新楽しみです！ (2020年7月3日 3時) (
レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
空夜☆時音(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます！pixivとこの作品は重なる様に書いて居ますので好みによって違うかも知れません。これからもよろしくお願いします！ (2020年5月25日 15時) (レス) id: b7a01024a7 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - pixivでも見てます！更新頑張ってください！（私も小説頑張ります） (2020年5月25日 14時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
夢 - がんばれがんばれ(語彙力) (2020年5月25日 10時) (レス) id: ed90ac981f (このIDを非表示/違反報告)
べっこうあめ - 初コメ失礼します! めっちゃ面白いです！作ってくれてありがとうございますm(_ _)m (2020年5月21日 8時) (レス) id: 036a34d0ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空夜☆時音 | 作成日時：2020年4月18日 3時
