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43:事件の終幕 ページ6

警察署......取調室......

私とお兄さん、太宰さんは、窓から
取り調べの様子を見ていた。

お兄さんは心配なのか、窓に手を添えている。

「撃つつもりは......なかったんです」

部屋の中に、杉本さんの細々とした声が響く。

「彼女は......政治家の汚職事件を
追っていた。そこで予想外にも、
ある大物議員の犯罪を示す証拠品を
入手したようなのです」

杉本さんは目を細めた。

「しかし、議員も老獪警察内のスパイを
使って証拠を消そうとしたのです」

「そのスパイが......君というわけだね」

「昔から......警察官に憧れていました。
試験に3度落ちて落ち込んでいる時、
男に声をかけられたのです。
警察官になりたいかと......」

ということは、その議員の力で警察官に......

「それでお前は議員の飼い犬として、
山際を殺したのか!?」

「ちっ、違います!私は彼女に警告を......
このままでは消されるから、
証拠を手放せと!しかし彼女は...」

その後に語ったことは、杉本さん自身の罪
......そうとう悔やんでいるようだった。

「このままでは殺人犯。警察も馘首になる。
混乱した君が頼れる人物は、皮肉なことに
一人しかいなかった。
電話した君に議員は証拠隠滅の方法を教え、
君はその通り彼女の胸にもう二発撃って
マフィアの仕業に偽装。
発見を遅らせる為、川に遺体を流した」

箕浦さんは椅子から立ち上がった。

「山際が入手したという証拠品は何処だ」

箕浦さんのその問に、
杉本さんは口を閉じたままだった。

「その議員は山際の仇だ。云え杉本!」

机をバンッと叩いたにも関わらず、
表情を変えなかった杉本さんに
乱歩さんはポンと肩に手を置いた。

「ねえ、杉本君。彼女の最後の台詞を
中ててみせようか」

乱歩さんは杉本さんに顔を近付け、
ごめんなさいだ、と云った。

「......本当に、凡てお見通しなのですね...
......証拠は...机の袖斗(ヒキダシ)に......」

...この一言で、取り調べは終わった。

44:能力者でないってことは、天才ですね→←42:抵抗なんてしないで欲しいです...



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♪音姫♪(プロフ) - 霧神廉さん» リクエストありがとうございます。あまり書いた事の無いキャラですが頑張ります! (2018年5月1日 11時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - とっても面白いです! リクエストで夢主ちゃんがモンゴメリちゃんと夢野久作と仲良くなる展開にしていただいでも宜しいでしょうか。ご検討、御願いします。 (2018年4月30日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - REIYAさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張ります♪ (2018年4月29日 14時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
REIYA(プロフ) - 何時もみてます。≪そ〜ら〜を〜飛んで((≫の所を見ると頭の中で≪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回る〜≫しか流れないのです。分からないですよね。すみません。此れからも頑張ってください (2018年4月28日 15時) (レス) id: bc3561fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - 嘘の仮面@英さん» ありがとうございます。 リクエストの方は、番外編(?)として別の小説を作る予定なので、そちらに書かせていただきます。 これからもよろしくお願いします。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:♪音姫♪ | 作成日時:2017年6月22日 8時

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