64:過去の記憶、今の自分 ページ29
敦は船へ戻って行った。
恐らく船には芥川と鏡花が居るのだろう。
Aの頭から敦が言った言葉が離れなかった。
『……絶対帰ってきて下さい……』
もう……失いたくない。無くしたくない。
そして、壊したくない。
Aの頭に過去の記憶が蘇る。
その記憶は___一面のあか、アカ、赤。
思わず頭を抱えるA。
国木田はその様子を静かに見つめていた。
Aは静かに顔を上げた。
それに遅れて、敦の叫び声が聞こえた。
それはまるで___月下に吠える獣の雄叫びにも聞こえた。
叫び声と共に、誰かが海へと沈んだ。
Aにはその光景がしっかりと見えた。
『国木田さん、彼処……』
Aが見る方向には、鏡花と敦の姿。
国木田は急いでその近くへ船を移動させる。
その次に爆発が起こり、鏡花と敦は船から落ちる。
『お兄さん!鏡花さん!』
Aは船から跳んだ。
そして二人を抱き止めると、二人を庇うように船へと着地した。
『気絶してるだけですね……良かったです』
二人を静かに下ろすとAはまた立ち上がった。
「小娘、どうした」
『……国木田さん。私は帰るの遅れます』
国木田は黙っていたが、意味を理解すると声を荒げた。
Aは……芥川を助けようと考えているのだ。
「自分のしようとしている事が分かっているのか。
彼奴は敵だ。俺達、探偵社の」
『勿論分かってます。でも……』
Aは美しい微笑みを浮かべた。
それは、何処か人間離れした美しさだった。
『……私はもう、目の前で誰かの命が失われるのを見たくないんです』
そう言ってAは船の外側に立った。
「おい!A!!」
『アハハ 初めて名前で呼んでくれましたね』
そう言ってAは船から飛び降りた。
その時の乾いた笑い声と、美しい笑顔が、国木田の耳と頭に染み付くように残った。
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♪音姫♪(プロフ) - 霧神廉さん» リクエストありがとうございます。あまり書いた事の無いキャラですが頑張ります! (2018年5月1日 11時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - とっても面白いです! リクエストで夢主ちゃんがモンゴメリちゃんと夢野久作と仲良くなる展開にしていただいでも宜しいでしょうか。ご検討、御願いします。 (2018年4月30日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - REIYAさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張ります♪ (2018年4月29日 14時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
REIYA(プロフ) - 何時もみてます。≪そ〜ら〜を〜飛んで((≫の所を見ると頭の中で≪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回る〜≫しか流れないのです。分からないですよね。すみません。此れからも頑張ってください (2018年4月28日 15時) (レス) id: bc3561fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - 嘘の仮面@英さん» ありがとうございます。 リクエストの方は、番外編(?)として別の小説を作る予定なので、そちらに書かせていただきます。 これからもよろしくお願いします。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪音姫♪ | 作成日時:2017年6月22日 8時