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63:オモイを叫ぶ ページ28

探偵社から建物を伝って移動をしてきたA達。

二人は急いで高速艇に乗り込む。

国木田はAが乗り込んだのを確認し、エンジンを入れた。

ゴオオという音が静かな海辺に響いた。

暫く進んでいると密輸船が見えた。

『国木田さん!船が見えました』

「本当か!」

『はい!まだ間に合いそうです!』

国木田は更にスピードを速めた。

船の近くまで来たが、目の前で船が爆発した。

『!!』

Aの目にも国木田の目にも敦が映った。

「小僧!沈むぞ来い!」

国木田がそう言うと敦は船から顔を出した。

「小僧!此処だ!爆発の所為でこれ以上近付けん!跳べ!」

『お兄さん、早く!』

二人が声を掛けるが、敦は動く気配がない。

それどころかずっとその場に立ち止まっている。

「何してる阿呆が!船が沈むぞ!」

「……」

「この怒阿呆!どれだけ社に迷惑を掛ける気だ!
社員全員只働きだぞ!早く乗れ!」

「彼女は__」

彼女_とは鏡花の事だろう。

「あの娘は諦めろ!善良な者が何時も助かる訳ではない!
俺も何度も失敗してきた!
そういう街で、そういう仕事だ!」

「彼女は……助からない?」

「そうだ!俺達は超人(ヒーロー)ではない!
そうなら善いと何度思ったか知れんが違うんだ!」

「彼女は__僕と食べたクレープを『おいしかった』と。
無価値な人間には呼吸する権利も無いと云われて_
彼女は『そうかもしれない』と」

泣き叫ぶようにそう言う敦。

「僕は……違うと思う!だって太宰さんは_探偵社は僕達を見捨てなかった!」

『!!』

敦は顔を上げた。その目には微かに涙が溜まっている。

「僕 __行ってきます!」

「おい!」

国木田は一回言葉を止めた。そして、

「走れ!走れ敦!!」

そう叫んだ。

64:過去の記憶、今の自分→←番外編、作りました



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♪音姫♪(プロフ) - 霧神廉さん» リクエストありがとうございます。あまり書いた事の無いキャラですが頑張ります! (2018年5月1日 11時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
霧神廉 - とっても面白いです! リクエストで夢主ちゃんがモンゴメリちゃんと夢野久作と仲良くなる展開にしていただいでも宜しいでしょうか。ご検討、御願いします。 (2018年4月30日 22時) (レス) id: cff83fd718 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - REIYAさん» コメントありがとうございます。これからも更新頑張ります♪ (2018年4月29日 14時) (レス) id: 28f218a5c0 (このIDを非表示/違反報告)
REIYA(プロフ) - 何時もみてます。≪そ〜ら〜を〜飛んで((≫の所を見ると頭の中で≪飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って回る〜≫しか流れないのです。分からないですよね。すみません。此れからも頑張ってください (2018年4月28日 15時) (レス) id: bc3561fcd7 (このIDを非表示/違反報告)
♪音姫♪(プロフ) - 嘘の仮面@英さん» ありがとうございます。 リクエストの方は、番外編(?)として別の小説を作る予定なので、そちらに書かせていただきます。 これからもよろしくお願いします。 (2017年12月20日 17時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:♪音姫♪ | 作成日時:2017年6月22日 8時

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