[文スト]中島敦には、可愛い双子の妹が居ます:2[中島敦]

40:座右の銘で納得したの初めてですよ...... ページ3

「違うよ」

「え......？」

「マフィアの報復の手口は身分証と同じだ。細部が身分を証明する」

ここでは、貴方の経験が活かされますね...太宰さん

「マフィアの手口はまず裏切り者に敷石を噛ませて後頭部を蹴りつけ顎を破壊。
激痛に悶える犠牲者をひっくり返して胸に三発」

それを聞いていたお兄さんはうえっと声をあげた。

「た、確かに正確にはそうですが......」

「この手口、マフィアに似てるがマフィアじゃない。つまり＿＿」

「犯人の......偽装工作！」

「そんな......偽装の為だけに、遺骸に二発も撃つなんて......非道い」

ｱﾊﾊ)私、犯人が判っちゃいました

私は薄く微笑んだ。

「ぶ〜！はい時間切れー駄目だねぇ君。
名探偵の才能がないよ！」

箕浦さんは黙っていられなくなったのか、
愚痴を乱歩さんにぶつけた。

「はぁ？まだ判ってないの？」

乱歩さんも呆れたように言葉を告げる。

説明を聞いている途中に箕浦さんはまた声をあげた。

「巫山戯るな、貴様は神か何かか！
そんな力が有るなら、俺たち刑事は
皆免職じゃないか！」

乱歩さんは手を広げ、笑った。

「まさにその通り。漸く理解が追いついたじゃないか」

箕浦さんは、それを聞いて歯を食い縛った。

そこで太宰さんが仲裁に入った。

「まあまあ刑事さん、落ち着いて。
乱歩さんは始終こんな感じですから」

「僕の座右の銘は、'僕がよければすべてよし'だからな！」

太宰治 座右の銘 '清く明るく元気な自 殺'

中島敦 座右の銘 '生きているならいいじゃない'

中島A 座右の銘 'どんな時でも愛想笑い'

「そこまで云うなら見せて貰おうか。
その能力とやらを！」

「おや、それは依頼かな？」

「失敗して大恥をかく依頼だ！」

乱歩さんはニッと不敵な笑みを浮かべた。

「あっはっは、最初から素直にそう頼めばいいのに」

「ふん、何の手がかりもないこの難事件を
相手に大した自信じゃないか。
60秒計ってやろうか？」

乱歩さんはやはり笑った。

「敦君、Aちゃん。よく見てい給え。探偵社を支える能力だ」

乱歩さんは懐から黒縁の眼鏡を取り出した。

それを掛けた瞬間に、砂埃が舞い上がる。

異能力＿＿'超推理'

「.........な・る・ほ・ど」

「犯人が判ったのか？」

乱歩さんはピースを見せて、勿論と云った。

「くくっ、どんな牽強付会が出るやら......
犯人は誰だ？」

乱歩さんは手を大きく降り被り、
ピタッと手を止めて指を指した。

私は確信をして、顔に三日月を浮かべた。

本当......貴方は面白いです...乱歩さん......

「犯人は君だ」

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