拾玖 ページ35
「……小狐丸、悪いけどちょっと離れて。」
「そこまでして…私と離れたいんですか？」
「うーん、そういう意味じゃないんだけど……鯰尾。
職員用の端末が懐にあるから取ってくれない？」
「はいはーい。」
「…どこ触ってんのよ？」
「ちゃんと探してるんですよ？」
「……そこは胸部よ。"ふところ"だって言ったわよね？」
「あれ、おっかしいなー。」
「今度はなんでお尻を触るのよ！って、ちょっ！？無視すんな！」
「ありましたー！」
「その笑顔ですら演技にしか見えなくなってきたわ。」
「いや〜、反応が面白くてつい。」
「もう…、じゃあ今度は私の指をその端末につけて」
「手のかかる人だなー。」
「…腕が動かせないの。」
「あ、開きましたよ！うわー！！凄いですね！この光ってるやつ。」
「…前見たこんのすけのアレにそっくりだな。」
「綺麗…。」
「よね！技術の進歩に驚きよ！！
しかもこっちは宙に浮いてるから…怖くて数日触れなかったのよね。
あ、 鯰尾それ落とさないでよ？壊れたら莫大な修理費を請求されるから」
「えっ！？それ本当ですかっ？！」
「なんで嬉しそうなのよ…。」
「そういうものを持ったことないですから。ちなみに修理費用はおいくらなんですか？」
「えっと、私の月給の＿って何言わせようとしてんのよ！？」
「そのぐらい教えてくれても」
「駄目！私の所持金がばれるじゃない！」
「へへっ、そういうところ全然変わってねーな。なんか安心したぜ。」
「…所持金ってことは毎日ちゃんとやりくり出来てるんだね。」
「小夜ちゃんに言われると地味に傷つくよ。…私、一応真面目キャラなんだからね？
ん、緊急連絡？」
「えーと"＿＿にて、刀剣男士よる戦闘を確認。
二振りの刀剣男士が逃走。
また痕跡にて太刀または打刀の刀剣男士と想定。
以上見つけた者は至急告知せよ。"……刀剣男士が…争った？」
「うーん、腕が痛いです。」
「あ、ごめん！降ろしても大丈夫よ。
鯰尾、助かったわ。
ありがとう。」
「…不意打ちにも程がありますよ。」
「顔が赤いわよ？」
「気の所為です！！」
「って！こんなことしてる場合じゃないわ！貴方達、早く帰りなさい！！」
「え？なんでだ？」
「…僕達が疑われるから？」
「ええ、そうよ。
しかも私が側にいましたって言っても"彼ら"が納得するはずがない。
さあ、早く下の階に！
ほら小狐丸も！」
「…ならばぬしさまも一緒に。」
「小狐丸？」
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作者名：沙恵燬 | 作成日時：2019年2月1日 1時
