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短その四 ページ24

白い衣(鶴丸国永、山姥切長義)


「そこ行くのね…。悪くはないんだけど、んー。」

相変わらず私は愚痴る。




何様のつもりだという誰かの声が聞こえそうだが…今日はまだその本人が来ていなかった。
いつも来る時間帯から三時間程度経過している。



また前と同じに戻っただけだというのに妙にすっきりしない。


(…ちょっと、仲良くなりすぎたかもね。)


久々に後悔を覚えた。


"仲良くなりすぎずまた悪くもない関係を築く"をモットーにしている私にとってはちょっと致命傷だ。

(暇だし、寝よ。)

こういうむしゃくしゃする時は寝るのが一番だ。


私は知的な女性じゃなくて、何事も体力で挑む女だって言われたことがあるし…。

「…いや、それ悪口じゃん!!?」

今更気づいた。

やっぱり馬鹿だな、私。

ま、まあ…頭動かすが嫌いなのは認めるけど…。





ピカピカの廊下に置かれているベンチに横たえて目を閉じた。









暫くの間、仮眠を取っていると誰かがこっちに近づいてきた。

通行人だろうと高を括ってそのまま寝ていると、その通行人は私の前でぴたりと止まる。



「お!こんな所にいたか。」

「……ん、?」

午前にやった仕事に不手際でもあったのだろうか?

_にしては、同僚の中で聞くことがない声だ。



「そんな所にいたら風邪ひくぜ?」

「ん…」

とんとん、と私の肩を軽く叩く。
……誰だ?

ずっと寝たふりをしようとしていたがずっと叩いてくる。
正直諦めてほしい。




(こんなおちゃらけた声の同僚はいない…はず)

「起きるからやめて…。」

だいたいちゃんとした休みのはずなのに何故怒られなければならないんだ。

あれか?残業ってやつなのか?


仕方ないな……横になっていた身体を起こして顔を上げると


_道理で最近聞かない声だと思った。
「よっ!元気にしてたか?」
全身白衣装の彼はにっと笑い、まるで友達にあったかのような調子である。

「…鶴丸国永。」


しゃがんでいるところを見るとどうやら私の顔を覗き込んでいたらしい。

「つれないな…、前みたいに鶴丸と呼んでほしいんだが。」

「ここ、関係者以外立ち入り禁止なんだけど。」

不審に思ってじーと見れば、俺に見惚れたのかい?と可笑しな事を言ってきた。

「んなわけないわよ。なんで貴方がこんな所にいるの?」

この鶴丸国永はあの審神者の"鶴丸国永"だ。
…つまりは知り合いなことに変わりないが、私は彼のことをあまりよく思ってない。

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作者名:沙恵燬 | 作成日時:2019年2月1日 1時

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