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「…怒らねーのか」
「なんだ、叱られたかったか」
「そうじゃねーけど、あんたは俺の正義が嫌いだろうなって思ってたから」
「嫌いだぜ、反吐が出る」
間髪入れずに答えてやれば、ガキは驚いていますと言わんばかりに目を丸くしてパチパチと瞬きを繰り返す。
「じゃあ、なんで」
「俺が惚れた男も、てめぇと同じ傲慢な類の人間だからな」
「それってもしかして、Aのことか」
既にシェリーから聞かされていたのか、或いはお得意の観察眼で見抜いていたか、しっかりと言い当てたガキに頷いてやりながら、話を急ぐ。
間もなく、Aに連れられたシェリーが戻ってくる頃合いだ。聞かれる前に、話を終わらせておきたかった。
「忠告だ、工藤新一。シェリーを守る気があるなら、絶対に傍を離れるなよ」
「どういうことだ」
「俺は無辜の人間を何人巻き添えにしようがターゲットを殺せるならそれでいいが、Aが巻き込まれるタイミングだけは絶対に避ける」
「…ベルモットも、同じように俺を避けようとするってことか」
「ああ。だが当然、シェリーもそんなことは知ってやがる」
「つまり、俺や周りを巻き込まないために彼女は一人で殺されようとする────」
どうやら心当たりがあったのだろう、ガキは神妙な顔をして呟いた。
廊下の向こうで、微かな足音がする。時間的に、このあたりが限界だろう。
「シェリーを一人で逝かせるようなら、てめぇの正義の負けだ。命懸けで守れよ、名探偵」
「っ、わかった！」
ガキが勢いづいて叫ぶように返事をするのと、リビングの扉が開くのは、ほとんど同時だった。
Aにエスコートされながら部屋に入ってきたシェリーが、俺たちの様子を見て面白そうに首を傾げる。
「あら、短い時間で随分と仲良くなったのね、二人とも」
「べ、別に仲良くなった訳じゃねーよ」
「そう。殺し合いでもしてるんじゃないかって心配してたのよ、私たち。ね、A？」
「ん。二人とも無事でよかったな、志保ちゃん」
「ええ、よかったわ。本当に」
そう言ってくすくすと笑うシェリーの左手にはAの手が、そして右手には何故か桃色の便箋が一枚、どちらも大切そうに握りしめられていた。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - マリアンヌさん» マリアンヌさま、はじめまして。最高の褒め言葉をありがとうございます！マイペースではありますが、これからもお楽しみいただけるよう尽力して参りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。 (3月31日 20時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
マリアンヌ(プロフ) - はじめまして。名探偵コナンの知識はほぼ持っていないのに読み始め、気づいたら虜になっていました。櫂渦さん、文才がありすぎて有名な小説家の方なのかなと本気で考えています。本でもこの物語を読みたいくらいに大好きです。これからも楽しみにしています。 (3月30日 15時) (レス) @page14 id: 1f5a49a19a (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - ありがとうございます。確認してまいります。 (3月10日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
あやなみ(プロフ) - 櫂渦【とーか】さん» んーとあのとーかさんのボードに返事送ったのでそこで会話するんです。通知来てると思うのでご確認お願い致します。返事待ってます。とーかさん！ (3月8日 18時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - あやなみさん» こんにちは。応援ありがとうございます！一緒に会話をするというのは、こうしてコメント欄でお話をするという意味でしょうか…？ (3月8日 17時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2024年3月6日 14時
