【コナン】23. 寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】

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奴も俺と同じように組織の古参であるから、当然シェリーの幼い頃の容姿は知っている。

幾ら適当な変装もどきで誤魔化していようと、その道のプロであるベルモットにとっては児戯に過ぎないのだから、簡単にその素顔を看破して正体を見破ったはずだ。


「───ベルモットは、シェリーを仇のごとく嫌っている。俺やウォッカと同じか、それ以上に熱心に潜伏先を探していた、といえばその異常さが想像できるか」

「逃げられるっていう失態を犯した責任があるオメーらよりも、か」

「そうだ。さっさと見つけて殺せ、と俺たちに発破をかけるような催促も頻繁にあった。が、ここ最近パッタリとそれが無くなった」


他の仕事が忙しすぎるせいか、或いは飽きたかと思っていたが、ベルモットが幼児化を知っているとなれば話は変わる。
どういう意味かわかるか、と問うまでもなく話が通じるあたり、探偵としての頭脳は健在なようで、会話するには楽だった。


「それは、ベルモットが自分で灰原を見つけたから…だから、アンタを急かす必要もなくなった」

「あぁ。幼児化したシェリーの存在に気づくことで、俺がてめぇを殺し損ねた可能性に意識が向くのを危惧したのもあったかもしれねぇが。いずれにしろ、子ども姿で潜伏しているシェリーに気づいたからこその行動の変化だろう」

「つまり、今後は組織が本格的に灰原を狙ってくるってことか…？」

「いや、ベルモットはAPTXの幼児化効果を隠してやがる。あの夜について、組織からシェリー発見の通達はなかった」

「そう、か。じゃあ、灰原の秘密を知った上で狙ってくるのはベルモット…だけ、なんだな」


ガキの言葉の後半に妙な間があったのは、ベルモットだけ(・・)と言うべきか、俺或いは俺とAの2人を勘定に入れるべきかを迷ったからだろう。
その末に結局、俺たちの存在に触れなかったのは、Aの方に多少は信用があるからか、それとも牽制の意味を込めたのか。

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