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『……死んだ方がマシな目に遭うかもしれない、ってことか』
「俺がカルバドスの立場なら、てめぇを恨む」
『っ、』
「どうせ死ぬなら人間らしく、できれば苦しまずに終わりたい。まァ誰だって同じだろうが、目前でその手段を奪われる絶望は、計り知れねぇな」
かつて、国際的な機関に囚われた同僚を何とか取り返してやったものの、捕縛中のトラウマからまともな人間生活すら送れなくなっていたために、本人の希望も聞いた上でやむなく安楽死させたことがある。
まだ比較的若かった俺が、できる限り一発で敵を仕留めるようになったのも、それからだ。
事件があったのは出会うより前のことだから、当時まだ一般市民だったに違いないAは、知るはずもない話だろう。
しかし、カルバドスから自決という手段を奪おうと言うならば、それがどのような意味を持つかということを、Aにも改めて理解させておく必要があった。
理解した上で、組織を瓦解させるためにはカルバドスの人間としての尊厳が侵されることなどどうでもいいと割り切って生かすなら、それでいい。カルバドスも俺と同じように、散々他人の人生を狂わせてきたのだろうから、どんな悲惨な最期を迎えたって自業自得だ。
だが、カルバドスを救ってやりたいという一心でAがその行動を選ぶのなら、いつか必ず現実を知って後悔する時が来る。
思うに、さっきの時点でのAは後者だった。
カルバドスにとってのベルモットは、Aやウォッカにとっての俺や、アイリッシュにとっての亡きピスコと同じ。
時には組織よりも優先することさえあるような、ただ一人の疑いなき主人を持つという点において、カルバドスはかつてのAに…あるいは今の俺に、立場が似ている。
助けてやりたいと言った言葉は、本心だろう。
自決を阻止した結果、まさか生涯秘密裏に拷問され続けることなど、望んではいないはずだ。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
