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『もしもし』
「…A、今話せるな？」
『ん、大丈夫』
「カルバドスを助けたいのはわかったが、その後はどうするつもりだ」
『そのまま、FBIに任せようと思ってる』
「必死で自決しようとした奴を、か」
ハンドルを切って適当な路肩に停車し、Aとの会話だけに集中できる状況を用意する。余計な世話かもしれないとは思ったが、Aに要らぬ後悔をさせないためにも、残酷な現実を突きつけておく必要があった。
『…ジンは、反対なのか？』
「そういうわけじゃねぇ。何せ俺は、カルバドスが拷問されて手足を失おうが、妙な薬漬けにされておかしくなろうが、どうでもいいからな」
犯罪組織の幹部が生け捕りにされるというのは、そういう事だぞ、と。
暗に突きつけたその言葉は、Aに重く刺さったらしい。
非道なことに手を染めさせてきたとはいえ、Aはまだ甘い部分がある。警察組織に寄せる無垢な信頼は、その最たるものだった。これまでも度々訂正と忠告はしてきたつもりだが、まだ不十分だったのだろう。
正義を名乗る機関だからといって、人道的な行いしかしないと本気で信じようとするのは愚か者の所業だ。
FBIが宮野明美を踏み台にした挙句見捨てようとした前科があるように、そして警察がスコッチを切り捨て組織に売ったように、公にすべてを明かさない機関というものは、得てして後暗い側面を備えている。
ましてやカルバドスは、真っ当な戸籍すら持たない、言わば存在しないも同然の人間だ。
闇に包まれた組織の全貌を暴くという大義の名のもとで、都合よく、好き勝手に虐められるのはまず疑いようがない。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
