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「そうですかい」
「ああ。自分よりも真面目で一途だからライバル視すらできなくて困る、らしい」
「へい？」
「ろくでもない奴なら蹴落として自分が代わってやろうと思えるのに、それもできないせいで俺を独占できない、と拗ねられた」
「…へぇ」
謝ればいいのか礼を言えばいいのか、明確な判断のつかないまま、曖昧な相槌で返す。
Aからの評価が高いらしいことに悪い気はしないが、兄貴の口からそれを聞かされるという状況は何ともむず痒かった。
そもそも、兄貴がそういった話題を口にしていること自体、慣れたことではない。まさか、あの兄貴から惚気を聞かされる日が来るとはなァ。
何とも言えぬ感慨に支配されて思わず手を止めた俺の姿がお気に召したのか、兄貴はまた、くつくつと喉を鳴らして笑っていた。
と、そんな兄貴の横で小山を形成していた布団の膨らみが、もぞりと動く。
「………ん、ぁ……じん？」
「起きたか、A。調子は？」
「…だいじょうぶ」
「そうか。とりあえず、水でも飲んでおけ」
Aの口調が拙く感じられるのは、寝起きだからだろうか。
或いは、兄貴と二人きりの場では日頃からこんな感じなのかもしれない。
俺が知る普段の、人懐っこいながらもどこか一線を引いたようなAの様子とは随分違うが、気の抜ける場では人間案外変わるものだ。
兄貴にしたって、組織の他の幹部の前と、俺やAだけが場に居るときでは多少振る舞いが変わるのだから、兄貴と二人きりのAが警戒を解いていたって何も不思議なことはない。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
