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『…待て、切るな』
これ以上話すこともないだろうと、通話終了のボタンを押そうとした私。その指を止めたのは、他でもないジンの声だった。いつになく静かなその声に、私も茶化すことなく黙って彼の言葉を待つ。
小さく息を吐く音がして、それからフッ、と自嘲するかのような笑い声が聞こえた。
大事なAが大変な時に、側に居ることさえできていない自分のことを自嘲しているのだろうか。
…でもまさか。あの男に限って、そんなこと。
『頼む。もしAの気が変わりそうなら、悪いが相手をしてやってくれ。俺に対する貸しにしていい』
「……本気？」
『冗談が言えるほどの余裕はねぇな』
本気。
私に借りを作ってもいいとまで言うなんて。らしくないその態度には反吐が出そうなくらいの違和感しか無かったけれど、あの子が大事なのは私だって同じだ。
「…ハァ、わかったわ。珍しく殊勝なあなたに免じて、もしpuppyが本当に限界を超えちゃったら私が面倒を見てあげる。でも、なるべく急ぎなさいよ」
『てめぇに言われるまでもねぇ』
「そう、それじゃ」
今度こそ、何の余韻も残さずプツリと切られた電話を片手に私は、Aのいるベッドの側へと足を運んだ。
「会話は聞こえてたわね、A？」
「っ、……ベル、モット…」
「あと十五分、耐えられそうかしら」
ベッドサイドに腰かけながらそう尋ねた私に、Aは泣きそうな顔で首を横に振った。それでいながら少しでも私から離れようとするかのように、壁際へじりじりと後ずさっていく。
これ以上我慢なんてできないほど苦しいけれど、ジン以外を相手にするつもりはない…ってところかしら。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
