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『薬の効果について、ボスへは私から報告しておいたわ。凶暴になる薬を飲まされたから、自傷に走るのを避けるためにも発散相手としてジンを呼び出した、ってきちんと(・・・・)伝えてあるから安心して。
それと、悪いけど例の女性の始末は私に譲ってちょうだい。それで貸しは無かったことにしてあげる。足りないなら、借りができたことにしてもいいわ。拳銃を使うあなたのやり方じゃ優しすぎるもの、せめてゆっくり殺してあげる。───Vermouth』
最後まで読み終えたところで抑えきれなかった舌打ちを零しつつ、まずベルモットに『貸し借りは帳消しだ、Aは無事に寝たぜ』と入力したメールを返送する。続けてあの方にも、無難に無事を知らせる文章を書き上げて送信した。
それから、新たに衣服の手配を指示したメールを作成してウォッカ宛てに送り付け、ホテルのフロントにも連絡を入れる。
鈍い痛みを訴える下肢が眠るだけで完全に回復するとは思えないから、ウォッカには服を部屋の中まで届けさせたかった。
幸い、フロントからは快諾を得られたため、ウォッカが指示通りに名乗りさえすれば、スタッフが部屋の鍵を開けるところまで案内してくれることだろう。
最低限やるべきことは全て終えたと判断し、Aの横に身体を潜り込ませながら、薄暗い闇の中で大きく息を吐く。
ベルモットから電話が来た時はどうなることかと思ったものだが、終わってみればまぁ、悪くは無い結果に落ち着いた。Aが目を覚ましたところで体調確認をして、問題がなければ今回の件はこれで決着がついたものと見ていいはずだ。
眠ろうとするこちらの気配を察知したらしく、むずかるように身動ぎをしたAが、寝惚けたまま居場所を求めるように擦り寄ってきた。
目も開かない動物の仔のようなその仕草に、腹の奥底から込み上げてくる何かを押し殺しつつ、軽く抱き寄せて胸の中に収める。
素肌に触れるAの身体は、冷やりとしたシーツとは対照的に温かく、心地良い。
誘う眠気に任せて静かに目を閉じながら、今夜は深く眠れそうだと、そんなことを思った。
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
