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今日だけ、などと言わずとも、Aが望むなら上下はどちらでも構わない。その意思は、最初の夜を迎える前から折に触れ伝えてやっていたつもりだったが、社交辞令か冗談だとでも思われていたのだろうか。
ベルモットといいAといい、これに関しては信用がないようで全く結構なことだ。俺はもう随分と前から、こいつにだけは大概甘いというのに。
だが、理解していないことについて黙っていたところで勘違いは加速するばかりだろう。仕方がないから改めて分からせてやるか、と押さえつけられた身体に力を込めて胸を反らし、何とかAの顔が見えるところまで身を捩る。
視界に入ってきたAの顔は、案の定とでも言うべきか、汗と涙と欲に濡れてぐしゃぐしゃに歪んでいた。それでもまぁ、他でもない俺のせいでそうなっているのだと思うと可愛く見えるのだから、全くもって仕様がない。
とはいえ傍から見れば如何にも悲痛なその表情を早く和らげてやりたいという気持ちが少しも湧かぬほどに非道な感性を持ち合わせているわけでもなく、その頬に片手を伸ばすと同時に、意識してできる限り柔らかな声で語りかけた…のだが。
何を勘違いしたのか、伸ばした手はパシリと叩き落とされ、口にしかけた言葉はみなまで言うことを許されはしなかった。
「…A。俺はてめぇが、ッあﾞ、ぅぐ……」
「ごめん、わかってる…わかってるけど、ごめん、聞きたくない。っ、お願い。嫌って言わないで、嫌いにならないで、」
俺の口に指を突っ込んで物理的に黙らせたAが、イヤイヤをするように頭を振っては涙を零す。どうやら、先程俺が多少無理をおして体勢を変更したのを、主導権を奪おうと抵抗したものと勘違いされてしまったらしい。
平常時のAならば俺がそんな事をするはずはないとわかっただろうが、薬に蝕まれながらも我慢を強いられ続けた頭では、思考がネガティブな方向へと流されてしまうのだろう。
無理もない。
そういった類のモノは得てして、脳と精神を蝕むように作られているものなのだから。
＊(中略)＊
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
