964. 準備。 ページ15
[-ジン’s side-]
「…来たぞ、A。無事か」
無駄に長い廊下を奥へと歩き、突き当たりの部屋の扉をおざなりにノックしてから引き開ける。
照明の落とされた部屋の中は暗かったが、長年の任務で闇に慣らされた眼は簡単に瞳孔を開き、ベッドの上に蹲るその人物の姿を映し出した。
「────じ、ん…？」
「ああ、遅くなって悪かった」
「っ、ジン、はやく、もっ…と、こっち、来て。すぐ、っなぁ…来て、じん、触りたい」
後ろ手に扉を閉めている間にも、堰を切ったような勢いで喋っては俺を呼ぶAの姿に、悪い気はしない。
大股でAの元へと歩み寄って伸ばされた手に手を重ねてやれば、そのまま引きずり込むようにして仰向けにベッドの上へと転がされた。
近づいてみて初めて気がついたことだが、ベッドのシーツはあちこちに皺が寄り、掛け布団に至ってはぐしゃぐしゃになって足元に転がされている。
恐らくは…と言うには確信に近いものがあったが、つまりこれは発散できない熱を少しでもどうにかしようとAが必死で足掻いた跡なのだろう。
普段から板に着いたように落ち着いた振る舞いをするAには似合わぬ乱雑さが、何とも言えない情欲を煽って困る。荒い息を吐いて俺の首筋に柔く歯を突き立てるAの体温につられ、自分の体温も高くなっているようだった。
「ふーっ、ジン、…脱いで」
「なんだ、脱がせる余裕もねぇか」
「ちっ…全部、破る…っ、ぞ」
「わかったわかった、脱いでやるから落ち着け」
本当に引きちぎりそうな勢いで胸ぐらを掴み服を引っ張るAに圧されて、手早く上着とシャツを脱ぎ捨てる。
露になった胸元に容赦なくキスマークを散らすAはそのまま好きにさせておき、今度はベルトのバックルに手をかけた─────。
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【作者より】
本シリーズは全年齢の読者様を対象としているため、ここから先のシーンは大幅に(20〜30話程度)カットとなります。
カットされるシーンをお読みになりたい18歳以上の読者様は、私のプロフィールから、“R指定” と題している占ツク内の同作品別シリーズの方へご移動いただくか、支部の方でも男主の名前を固定した同じ作品を更新しておりますので、そちらをご覧ください。
お手数をお掛けいたしますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
櫂渦
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櫂渦【とーか】(プロフ) - シリーズを繋ぎ直しました！続きを読む、で次の話に飛んでいただけます！ (8月14日 23時) (
レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 点Ｐさん» ごめんなさい、コメントいただいて初めて次の話にシリーズが繋げられていなかったことに気づきました！まだ続きもupしてあるので、お楽しみいただけると幸いです！ (8月14日 23時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
点Ｐ - 追いつきました…最高です！今まで見た中で一番好きです！最新頑張ってください！ (8月14日 21時) (レス) @page50 id: 7d48b43935 (このIDを非表示/違反報告)
櫂渦【とーか】(プロフ) - 乌罗伊利亚さん» ありがとうございます！これからもお楽しみいただけるよう頑張って参ります！！ (7月4日 21時) (レス) id: 7ff0039a36 (このIDを非表示/違反報告)
乌罗伊利亚 - とても面白かったです！今、一番好きな作品です 更新頑張ってください！！ (7月4日 12時) (レス) @page50 id: 21b25aa0ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫂渦【とーか】
| 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/28997649
作成日時：2023年3月11日 21時
